84-sideF ページ34
結局おばさんおじさんの昼飯食べてけ攻撃に負けて
Aの家で昼飯を食べた。
．
「ご馳走様でした」
『辰哉くん、お代わりは？』
『母さん！辰哉くんは今から仕事なんだからそんな食べ過ぎさせちゃダメだよ』
『あぁ…そうね』
「今度はもっとお腹空かせて来ますね」
．
そろそろ時間なので、と玄関に行きジャケットを羽織れば
タイミング悪くAが帰って来た
．
「…来てたんだ」
「お、おう」
『おいおい来てたんだじゃないだろ！
大事な親友だろう？』
『あ！Aどこ行ってたの〜』
「あのさ、Aちょっと話したいことあんだけど」
「…ごめん。私ちょっと忙しいからまた今度」
．
やっぱりあの日から
Aは俺を避けてる
．
「パソコンはしばらく様子みてください
何かあったらまた俺呼んでもらったら！
お邪魔しました」
『そうだ！ちょっと辰哉くん！
母さんがいないついでにもう一つお願いしたいことがあるんだが…』
「なんですか？」
『辰哉くんの会社が管理してるビルにえっと〜この間テレビでやってたあの…
半年待ちって言われてるあの〜…』
「トレモンティーですか？」
『あっそうそうトレモンティー！！
ここ辰哉くんに言ったら予約取れたり…しないかな？
いや、来月うちのが誕生日でね？』
「あぁ！なるほど
確約はできませんが、多分大丈夫ですよ」
『ほんとか！頼むよありがとう』
「はい！じゃあ次こそお邪魔しました」
．
Aの家を出てからAに電話をかけるも
《ただいま電話に出ることができません》といういつもの電子音
いつもはすぐ切るけど今日はどうしてもAに言いたいことがあるんだと伝えたくて
．
「もしもし？俺だけど。Aに直接会って報告したいことがあって
…会えないかな」
．
そう留守電にメッセージを入れた
俺と君がずっと親友でいられるための大事な話だから
君にマキちゃんと付き合ったことを直接言えれば
俺は中途半端な気持ちで彼女と向き合えなくなって
俺の中で君が親友として居続けられるだろ？
だから、俺のこと避けないでよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月11日 21時
