僕はまだ君を愛さないことができるII (ページ3)

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「だからぁ、昨日から言ってんじゃん…うん」

部下からの素っ頓狂な質問にイライラしながら電話で対応していれば周りの声なんて聞こえるわけもなく、アシスタントのハナが新アシスタントの男の子に私のことを

『目黒くんについてもらう主任なんだけど、正直ちょっと扱いづらい。
悪い人じゃないんだけど気が強くて、何っでもズバズバ言うの(笑)
私結構傷つけられちゃったりしたくらい
目黒くんはメンタル強い方？』

なんて紹介しているのも露知らず

『結構、いやだいぶ強いです』

『そっか、じゃあ大丈夫かも
主任は若くてなんでもできる人だから学べることたくさんあると思うし、頑張って』

『頑張ります』

『よし、じゃあ紹介するね』

なんて紹介していたのもさらに露知らず
相変わらず部下と電話していた途中で椅子でくるっと反対側へ回った私の目の前には

「…え？」

あの時の彼が目の前にいて
驚いて固まっていると電話越しに主任、いいですか？と聞こえたので

「あぁ、それでいい。うん、はいお疲れ様」

『主任、新しい新しいアシスタントの子が来ましたよ』

『はじめまして、目黒蓮と申します
今日からお世話になります。よろしくお願いします』

「あぁ…ようこそ、商品開発部の御手洗です」

そう自己紹介すれば彼の目線は私のネームホルダーで

「あぁ、よく間違えられるんですが、''ミタライ''です」

『……Aさん』

「へ？」

『素敵な名前ですね』

思いもしなかった返答に何も返せない私を見てニヤニヤするハナ

「ちょっとハナ」

『はい、すみませんしっかりします(笑)』

「もうほんとに…
彼に会社案内してあげて、それとちゃんと引き継ぎしてね？」

『はぁい、じゃあ次経理部いこっか！精算大事だからね！』

『はい。それでは失礼します！」

ハナと彼が去ったあと
誕生日の日にハナがそう言えば履歴書送ってきてたなと思い出し
履歴書のファイルを開いてみれば

【目黒蓮 1997年2月16日生満23歳】

ちょ、ちょっと待って、23歳！？
私、そんな若い子に心惹かれていたの？
少し前にふっかに結局若い子がいいんだね的なこと言っちゃったなぁ…人のこと言えないじゃんと頭を抱えた。