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「我が社恒例のほぼ強制の誕生日サプライズ
いや、悪気はないのはわかる
わかるんだけど…」
ぶつぶつ独り言を言いながら
資料をつくっているけど
ホッチキス止まらないし…なんなの…
「はあ…」
こういうときは
あいつに電話！とおもって
深澤辰哉の連絡先を開いて電話をかける。
でも発信音を、きいてふと我に帰り
「ダメだ…はぁ…仕事仕事」
こういう時は仕事に集中するのが1番だと思い
箱に入ったハイヒールを何個も重ねて運んでいると
「お〜A。大丈夫か？持つよ」
そういって現れたのは岩本照
「あぁ、いい！大丈夫大丈夫！
気持ちはありがたいんだけど
今絶妙なバランス保ってるから」
「あぁ…そうか
…あ〜そうだ！あのー…」
とブツブツ言って肝心なところを言ってこない。
なんなの？別れた女の誕生日でも祝うつもり？未練がましい男め
イライラしてきた…
「言いたいことがあるなら「俺来月結婚するんだ」
「え！」
驚いた途端に絶妙に保っていたバランスは
あっという間に崩壊してしまった
「あぁ、ごめんごめん！
そんな驚くとは思わなくてさ」
そう言って靴を一緒に拾いながら
「ショックだよな
でもな、仁義としてお前にはちゃんと言っておきたかったんだ」
仁義？なんだそれ
「あぁ、そう…
おめでとう良かったね」
「良かった…
お前にはちゃんと祝福してもらいたくてな」
満足そうにじゃあな、と去っていく彼。
29歳、誕生日
気の迷いで一時期付き合った元彼の結婚報告というプレゼントをもらう
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作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月6日 0時
