僕はまだ君を愛さないことができる (ページ49)

今日:12 hit、昨日:2 hit、合計:49,175 hit

49 ページ49

『その2、人が褒めないところを見つけて褒めてあげる』

「なるほど！確かにそれは嬉しいかも！」

『んじゃ練習ね
辰哉のこと、褒めてみて』

「ん？」

「えぇ…ふっかって褒めるとこあったっけ？」

「失礼な野郎だなお前は」

とりあえず立ち上がってふっかの顔をじっと見つめてみる

「ふっかって…」

「なんだよ」

「…」

「え、なに？」

「顔でかいよね」

「それ褒めてねぇよ！！！失礼だぞ朝から
真面目に考えろよやり直し！」

「冗談じゃん(笑)」

「ちゃんとしろ？」

「あ、手！！」

「手？」

不思議そうに自分の手を見るふっかの手を取り私の手のひらと合わせて

「ふっかの手のさぁ指！
細長くてめっちゃ綺麗なんだよね」

そう言えば手をパチンと叩いて

「Aの手がまるっこいだけだよ」

「え、ひっど」

「ははーん！！」

なんてドヤ顔してくるから無視してやった

「真琴さん！次は？」

「おい無視かよ」

『その3、これがいっちばん大事！よく聞いて
3秒見つめて、サッと逸らす！』

「えぇ？」

『これがね、効果てきめんでさぁ
相手が自分のこと見てたのかなぁってモヤモヤのループにハマるでしょ？さらにその人のこと考える時間が増えちゃうの』

「あ、なるほど
考えれば考えるほどその人のことが気になっちゃう！みたいな？」

『そう！じゃ、やってみて』

「はい！先生♪」

「俺は恋愛練習台かよ」

なんでだよとぼやくふっかをじっと見つめる。

あれ？ふっかの顔をちゃんと見るの初めてかも
鼻筋、スッと通ってる。こんなところにほくろあったんだ、とかいろいろ考えながらじっとみていれば

「10秒経ってるけど」

と声が聞こえて慌てて顔ごと逸らした

「おっそ(笑)
やっぱ俺かっこいいから見惚れてたんだろ」

「はぁ？ちがいますー」

『なぁにさっきからイチャイチャしてんのよ』

「なに？」

『付き合っちゃえよ』

「ふっかとは友達なんで」

「そ、親友～」

『へぇ、仲がよろしいことで」

にしても、ふっかって思ったよりイケメンだったんだなと考えながら水を飲み切ったところで
真琴さんの恋の種まき指南は終了した。