僕はまだ君を愛さないことができる (ページ37)

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「チャペル？ねぇ、結婚式場じゃない？
中覗いてみようよ！」

「え？次こっちの神様？(笑)」

「いいじゃん！なんかこういうとこって幸せオーラが漂ってて恋愛運上がりそうじゃない？」

「そうか？まじで入んの？」

チャペルの前で入る入らないを言い合ってる間にそれを見られてたようで

『もし良かったら見学なさいますか？』

声をかけられて恥ずかしそうに笑って俺の方を見るA

「お前が行きたいって言ったんじゃん(笑)」

「じゃあ…少しだけ良いですか？」

彼女がそう答えれば
もちろんどうぞ、と中へ案内してもらうことになった
一通りチャペルを見学したのち、ウェディングドレスとタキシードのご試着も是非と言われて試着することになったのだが…

『すごくお似合いですよ～！！』

「うふふ、ほんとですか嬉しいです」

『早く見せにいきましょう』

「みて！ジャーン」

その声とともに現れたAは
びっくりするくらいに綺麗で
本当に言葉にならないくらい、綺麗で

「ねぇ、なに、引いてんの？」

「いや、すごく綺麗だよ
似合ってる」

「ほんと？ふふっ…ありがとう

ねぇ、写真撮って！」

「おう。いいよ」

チャペルのスタッフさんからAのスマホを受け取りカメラを向ける

「綺麗に撮ってね」

「はいよ

いくぞ
はい、チーズ」

「どう？」

「もう一枚撮る？」

「あはは、いいの？」

「はい、チーズ」

どうどう？と俺が撮った写真を見て
暗いよ～なんて文句を言いながら
あ、でもこれいい感じと言って写真を見ている君の横顔が本当に綺麗で引き込まれそうだった

『2人でのお写真お撮りしましょうか？』

気を利かせて声をかけてくれたので
せっかくだからいいじゃん、と撮ってもらった
カップルでもない俺たちがウェディングドレスとタキシードで写真撮るなんておかしな話だけど

『すごくお似合いです』

その言葉に

「お似合いだって(笑)」

と笑いながら俺の肩を叩く、そのやりとりがなんだか照れくさかった

「私もいつか、結婚できるかなあ」

君のその言葉が俺を

「できるよ」

''親友''っていう立ち位置に

現実に引き戻した