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36-sideF ページ36
神社からの帰り道、買ってあげたお守りをじっと見つめて大切そうにカバンにしまい
「ふっかはなんでお守り買わなかったの？」
不思議そうに俺に聞いた。
「うーん…」
「もしかして…シンデレラに出会ったとか？」
「…いや、シンデレラかどうかはわかんないけど
会社の後輩で、下の名前で呼んでくる子がいるんだよね」
「ふーん
''辰哉さぁん''とか？」
「んだよそれ(笑)
でもさぁ、辰哉さんってお兄ちゃんみたいって言われた」
「お兄ちゃんか」
「やっぱお兄ちゃんって、あなたはそんな対象じゃありませんよってことだよな？」
好かれているんだろうという小さな確信を
Aに否定して欲しくてこう言ったのかもしれない
その願いとは裏腹に彼女の答えは曖昧だった
「うーんどうだろうねぇ
ね、どんな子どんな子？？若いの？」
「あー多分23、4…かな」
「はぁぁぁ！
結局ふっかも若い子が好きなんだね！」
「ちょ、そういうわけじゃ…」
つまんないやつだなぁ！と言いながら
早歩きで進む彼女の背中を見つめて
「なんだよお前が聞いてきたんじゃん(笑)」
「現実にがっかりしたの！！」
「29だからか？」
「うるさいなあんたも一緒じゃん！」
「俺まだ28だからぁ〜」
「うわっ！ほんとやだ！(笑)やなやつ！」
「うお！カバン投げてくんなよ！(笑)
あとお前歩くの早いんだよ！」
わざと茶化しながら追いかけた
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作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月6日 0時
