僕はまだ君を愛さないことができる (ページ30)

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そしてやってきた日曜日。

『どうした？今日は珍しいなやけにめかしこんで』

「もうお父さん静かにして！」

日課の星座占いを見るのにもなんだか力が入っていて。

《さそり座のあなたは
素敵な人に声をかけられてドキドキしそう！
ラッキーカラーはピンクです》

ピンク…
今私がきているワンピースは緑…
急いで着替えないと！
そう思いリビングを飛び出して部屋に向かう

ピンクよりの白いレースワンピースに着替えて
あとは靴なんだけど
お気に入りのハイヒールが見当たらない
そもそも靴持ちすぎてるのが問題なんだろうけど…

『なに着替えたの！？』

「あぁ、うん、ピンクに似合う色にした」

『もしかして～ラッキカラー？
ていうかさ、いいの？出かけなくて
10時に出かけるんじゃないの～？』

「分かってる！
ああ！あった！！今日はこの子にする～！！！」

やっと見つけたピンクの8センチハイヒール
お母さんもかわいいって言ってくれた靴だし
今日にぴったりのはず！

「少しでも運気あげたいの！
今日は勝負だから！！」

そう意気込んで家を出たものの
久しぶりの8センチハイヒールは少し歩きにくくて…
やりすぎたかなと反省しながら歩いていた時
やはり高めのヒールがたたってか

「ああ！！！」

バランスを崩して転ぶ…！
そう思って目を瞑ったその瞬間

『大丈夫ですか？』

男の子が私を支えてくれた。

「あぁ！ごめんなさい大丈夫です
ありがとうございます」

『足、挫いてません？』

「あ！大丈夫です」

『良かった。では』

会釈をして去っていく彼。
なんか、王子様みたいな感じだったなあ
幸先いいかも～なんて思いながら
3人中1人のデートに向かった。

数日後あの王子様みたいな彼にまた会えることになるなんてこの時は思いもしなかったけれど。