僕はまだ君を愛さないことができる (ページ29)

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『はい、あとは条件！
相手の条件！きかせて！』

「条件？いやでももう29だしそんな贅沢言ってらんないよ！」

『いいから早く早く！』

「うーん…でも
イケメンすぎなくていいんだけど、爽やかな人がいいかな？」

『ほうほう…』

「あと、押し付けがましくなくて、俺俺うるさくないのは絶対！
で、優しくてレディーファーストってのも外せないよね！
あと…料理ができたら最高！それに！キャンプも一緒に行けたらいいか『ちょちょちょちょ！！！！！ストップ！』

『多すぎるから』

「多い？」

『うん。多い
こういうのはね、ゴチャゴチャ書くとめんどくさい女だと思われるの
だから、３つくらいに絞って！』

「３つ…？『うん』

「じゃあ…
イケメンすぎず、爽やか」

『イケメンすぎず、爽やか』

「で、みんなに優しくて」

『みんなに優しくてぇ』

「あとなんだろうなぁ～
あ！私の多少のわがままも許してくれる人」

するとマリエはしばらく黙って

『あのさぁ、それって深澤辰哉じゃん』

「あぁ…言われてみれば
ってなに言ってんの
ふっかとはありえないから」

『え！？なんで？』

「なんで？って…」

♪～

『あ！通知きた！』

ちょっと待ってねと言ってアプリを開き画面を見せてきたところに映った相手は
''笑顔が素敵ですね。
僕は年の半分は仕事でロサンゼルスにいます''
とメッセージを送ってきた経営コンサルタントをしている結構なイケメン。
続々とその後も通知が来る私に

『じゃあさ、次の日曜日この3人ハシゴしてきなよ』

「ハシゴ！？」

『うん。いやいや王子様はね、早く出逢いたいんだったら1日3人は会ったほうがいい
王子様ってどんどんどんどん奪われてくから！電波を張り巡らせておくの！』

こうやって！と指先をひらひら動かしながらレーダーを張り巡らせて

『やってる？いつも！』

「こうやって？」

『こうやって！
んで、王子様をつかまえるの！』

3人とハシゴデートが決まってしまった