僕はまだ君を愛さないことができる (ページ27)

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「もしもし、ハナ？今ポップ見たんだけど
''Diana 冬のシンデレラコレクションときめく靴で人生に魔法を''だったよね？
ときめくがきらめくになってる！
え！？もう刷っちゃった！？
もう～！！！今すぐ止めて！！！」

あれから数日後。私は大ピンチに陥っていた
慌てて立ち上がった時、注文していたカフェラテが渡され両手が塞がってしまってうまく動けないし、急いでいたり慌てていたりする時に限って物事がうまくいかない。

「えぇ、だから来週までに直して欲しいんです！
いや、それは無理って…
あのキャッチコピーはコピーライターさん達と弊社スタッフ達が何度も何度も打ち合わせをして頭を悩ませて時間をかけて作ったものなんです！
それを間違えて刷っちゃいましたじゃ済まされないんです！
そこをなんとかお願いします！」

訂正シールで保険をかけておいた方がいいか…どうしようと悩みながら会社へ向かおうとしたその時
コツンという音と共にヒールがマンホールの小さな穴に入り込んでしまった。

こんな時、シンデレラならきっと王子様が助けてくれる。
でも29年生きているといい加減分かってきた
白馬の王子様はすべての女性の前に現れるわけではないってこと
現れる人と現れない人。
その違いってなんなんだろう

そう考えていたら急に穴にはまったヒールが抜けて私は転んでいた。

「ほんと、ついてない…」