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「ありがとうございまーす
やっぱアテはこれじゃないとだよね〜」
女が男の前でお酒のアテにスルメをしゃぶるのはお法度だろうけど
深澤辰哉の前では良し。と私の中のルールで決まっている。
「それでね、会議で後輩のデザイン批評したら、その子が岩本照の結婚相手だったの！
で、岩本照に''俺への恨みなら俺にぶつけてこい！''とか言われちゃって(笑)」
岩本照にされた胸を叩くジェスチャーを嫌味で真似してやった
「そんなつもりなかったんだろ？その子に対して」
「当たり前だよ！知らなかったし」
「デザイン自体良くなかったの？」
「それがすっごい良かった！かわいかったしもともと才能ある子なの。
だからぁ、テーマと全然合ってなくてもったいないなぁーって」
「それをそのまま言えばよかったのに」
「そっか…
ああ〜一言でもかわいいとか良かったとか言ってあげれば良かったのか」
「どんな相手だろうが相手のいいところは素直に認められるのがAの最大の長所だろ？」
「…うん」
そういうことをサラッと言えちゃうところが
彼の最大の長所であり短所だなと考えていると
「あ！それ！」
声をかけたのも虚しく残念ながら彼の口には…
「うわぁ…唐辛子かよ…」
辛さに悶える彼がジョッキを持つもその中にビールはなくて
「あぁ！！やべえ！ない！ねぇじゃん！」
「はいはいはい！」
「さんきゅ」
「もぉ〜(笑)
これくらい平気でしょう？(笑)」
「うああ、辛っ」
ふっかとなんともないことで笑える時間が
今日1日のいろんな嫌な出来事を忘れさせてくれる
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作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月6日 0時
