僕はまだ君を愛さないことができる (ページ14)

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―――現在

「はぁ～疲れた～」

仕事のプチ休憩にコーヒーをいれて
蓋を取ろうとした時服の袖がマドラーケースに当たって落としてしまった
慌ててしゃがみ込み拾っていると

『デザイン～ダメでしたかねえ』

さっきの会議で私から案を指摘された子の声が聞こえる

『17歳でもないのに少女の夢語ったりデザインに口出したり？常務に気に入られてるからってあれはないわ～』

『でも、主任の言うことも一理あるかなあって』

『オテアライ、愛ちゃんのこと潰そうとしてるのかも』

『へぇ！？それどういうことですか？(笑)』

『え！岩本課長から聞いてないの？オテアライのこと』

''岩本課長''ときいて
数時間前の《お前にはちゃんと言っておきたかったんだ》あの言葉がフラッシュバックする

『元カノよ？岩本課長の！』

『えぇ！？それ、本当ですか！？』

『元カレの婚約者が自分より若くて可愛かったら…
おもしろくないに決まってるじゃない！』

『ふぅん…でも…』

彼女が何か言いかけたところで
痺れを切らして立ち上がった。

『おつかれさまでーす…』

2人は愛想笑いを浮かべてその場を去っていく
てか、あの子が婚約者かとか知らないしこっちは！！！！
心の中で全力の悪態をつきながら
コーヒーを飲んでいると

『いい気分だった』

「え？」

『胸がスッとした
さっきの会議の時も拍手しそうになった』

「あ、あぁ」

急に現れたユカリ先輩
余程あの子のことが嫌いなのだろうか

『私、元々カノ』

「へ？」

『付き合ってたの！岩本照と。
あなたの前に』

驚愕の事実に口をパクパクさせていると
ユカリ先輩が微笑んで手を出してきたから
2人で謎の握手をした。