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あの図書館の宣言通り。
ふっかは終わらせる気のない宿題を私に付き合わせていた。
と言っても私は丸をつけるだけで、ふっかは次々と問題を解いていく。
岩手の名物、わんこそばってこんな気分なのかなと思うのも、毎年の事だった。
ついでに、
「毎年言ってるけど、なんでこんなに溜め込むかなぁ…。」
「口より手動かせば？」
「……。」
手伝ってあげてると言うのにこの言い草。
確かにふっかの解く速さと私の丸つけの速さは全然違うけど。
今年こそはやらないぞ、と何度決めたであろう目標はあっさりと打ち破られ、今私はふっかの家に来ている。
来なきゃいいじゃん。断れよ。鋼の精神だぞ。
そんな意見、分かってる。
でも私の言い訳を是非聴いて欲しい。
先ず最初に。
風邪だ頭痛だと何かと理由をつけて断ったところでふっかがママに確認してアウト。
次に家に居なければいいと思って外出しようとしたら何故か先回りして玄関前に居るふっかでアウト。
しかもその両手には宿題付き。
なら立て篭りはどうか。
「…あ、そういやお前今回の数学の点数1桁…」
「ああああああ！！！！手伝いたくなってきたな！！！！やろっか！！！」
脅しで呆気なくアウト。
というか、ふっかが宿題を家に持ち込んで来ることがあって以来、私はもう諦めて手伝ってる。万策尽きてんだこっちは。
とは言っても。
家にいる時よりも多いその小言は長年も食らってたら大半は右から左にできるのは、なんかちょっと虚しい気もする。
なんて気持ちを誤魔化すように、私は課題と答えを交互に見て丸をつける。
「……｡」
「…。」
「暇だからマリカしよ。」
「暇に見えるの？」
相変わらず人の神経を逆撫でする一言をサラリと言い退けるふっかは、私からペンと宿題を取上げて本当にマリカの準備をし始めた。
これふっかの為の宿題なんだけど。
「何使おっかなぁ。」
「ふっか。宿題、」
「俺ワリオにしよ。Aはピノキオな。」
「………なんでもいいよ。」
結局こうしてゲームでコテンパンにされて、宿題が終わらなくて、ダラダラと1週間を過ごしていく私の夏休み。
グッバイ私の青い春。もとい青い夏……｡
「…てか明日暇だよな？暇だろ？暇だな。よし。」
「ごめんまだ答えてない。宿題手伝うこと以外暇だけどさ。」
「明日18時、お前ん家行くから。逃げたら締める。」
「流れるように脅すじゃん……わかった、わかったから甲羅投げないで！！あああああ！！！！」
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
