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「つまり、要約すると。俺が急に優しくなったのは自分のワガママのせいだと思ってるってこと？」
「……。」
黙って頷くと、ふっかは大きなため息をついた。
「言っとくけど、このため息はAに向けてじゃなくて自分にだから。」
「なんで？」
「過去の自分殴りたいってこれの事かぁ…。」
ふっかはそう言ってベッドにもたれかかった。
なんだか色々唸ってて上手く聞こえないけど、ちょっと不気味。
あれから場所が変わって、今ふっかの家にいる。
誰も居ないし、話しやすいだろうということで提案された。
まぁ、了承した時の「お前そこ…頷くなよ……」なんて言われた時は相変わらずの理不尽さを感じたけど。
雨は弱くなったと思ったのにまた強くなっていた。
「まぁ………照とか、佐久間とかに言われてから何となく分かってたつもりだったけど……。俺バカすぎるだろ…。」
「ふっか、点数いいよね…？」
「…そこの話じゃねえ。」
何の話？なんて思ってたらふっかはまたため息をついた。
…すいませんね、理解できなくて。
「…別に優しくなったんじゃない。A嫌われてるって思われたくなくて、態度を少し変えただけ。」
「少し…？」
「少しじゃん…え、俺そんな酷いことしてた？」
「ちょっと過去の自分に問い合わせしてもらっていい？胸に手を置いて、はい。」
「………？」
ダメだこいつ、無自覚だ。
無自覚であんなことできるのか。怖い。
「とにかく。俺はお前に嫌われたら本末転倒だから、態度を直しただけ。お前が余計な心配する必要はないの。」
「ほんまつてんとうってなに？ことわざ？」
「…気が向いたら調べな。今は調べんな。口滑った。」
「……ふむ。」
「はいスマホ没収〜！」
「強盗だ！泥棒だ！詐欺だ！」
「詐欺は絶対違うだろ。いいからマリカすんぞ。」
なんだか上手い感じにかわされた気もするけど、とにかく心配するような事じゃなかったらしい。
ちょっとそれに安心しながら、私たちはゲームをして過ごした。……明日のテストを忘れて。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
