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「ちょ、ちょっとふっか！！熱あるの？！」
「ないって！…気まぐれだよ！」
「気まぐれだったらむしろ手伝わないでほし…ごめんれありがとう！ｽｺﾞｸﾀｽｶﾙ！」
よく言うじゃない。旦那の時々のお節介ほど面倒な瞬間ないって。
今まさにそれ。旦那ではなくてふっかだけど。
でもまぁ、そこまで強くは言えないので大人しく持ってもらうことに。
ここから職員室までは図書館や保健室よりも長いので、その分、まぁ、無言も長い。
帰り道プラスこれかぁ、きついなー、なんて思ってたのに、またふっかから話しかけられた。
「…マネになんの？」
「ならないよ。」
なんだ、その確認かと、少し落胆する。
どうせ反対だなんだって言いに来たんでしょと、分かりきってる押し問答をする気にもならなくて。
なりたい、なりたくないなんてことは関係なく。これ以上ふっかと喧嘩したくなくて、決まっていた答えを出した。
「はぁ？！なんでだよ！」
「え、なんで？！」
なんで！？なんでとは？！
まさかそう返ってくるとも思わなくて、私も思わず聞き返した。
それはこっちのセリフなんですが？
「いや、あの…私ダンスわかんないし…？」
「練習メニューは俺と照が組むから。」
「スケジューリングとか、備品管理しか出来ないし？」
「むしろ助かる。」
「ほかの細かいこと知らないし？！」
「俺とか前のマネージャーに聞いて。」
「来年で卒業だし！？」
「それは俺らも一緒。」
なに、なになに。勘違いしそうになる。
やって下さいって、言ってるようなもんじゃんか。
そんな畳み掛けるように言われて、不安要素全部安心に変えてくれて。
勘違いしちゃうから、それ以上言わないでほしい。なんて願いは届くはずもなく。
「他は？」
「へ？」
「他はないの。不安なとこ。」
急に立ち止まって、振り返る。
思わず抱え直した空のタンクも取り上げられて、手持ち無沙汰になった。
手の行き場がなくて、思わず手遊びをして誤魔化す。
「それは…」
「じゃあ聞き方変える。言えない不安要素は？」
その聞き方は、ズルいと思った。
言いにくいところっていうら聞き方でもなくて、直接突きつける訳でもないその聞き方が。
でもふっかが、わざわざら腰をかがめて、私と目線を合わせてくれる。
ふっかの方が大きいのに、屈むのだって少しキツイだろうに、ずっと合わせてくれる。
「……ある。」
「なぁに？」
ふっかに言うのが申し訳なくて。
まるでふっかが悪いって聞こえるのがが腹立たしくて。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
