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「ごめんねAちゃん。それ重いでしょ？」
「ううん。平気だよ。」
どうみたってサーバー2個持ちの上にタンク持ってるひーくんの方が重そうだけど。
と、私が持つタオルやらの布を見て思う。
今日は約束のダンス部のマネージャーの日。今日から約3ヶ月くらいお世話になる。
まぁ、してる中身的には私がお世話してる側なんだけど…。
みんな大会のフォーメーションとか、体づくりとかで、細かい雑務にまで手が伸ばせなくなるらしいこの期間に、確かにマネージャーが居ないのは痛い。
ふっかも、この時期だけは真面目に参加してる。…毎日参加しなよって私もひーくんも口酸っぱに言ってるけど。
「…私、ダンスは見るの好きだけど、全然詳しくないからこんなことで良ければ全然手伝うよ。」
「まぁそうだね、ほんとはマネージャーが練習メニューとか決めるっぽいけど、それは俺らでできるから大丈夫。どう？正式に入ってみない？」
「うーん…気が向いたらね。」
今日何度目かの勧誘を流しつつ、スポドリやら何やら。
メモ帳にあったことをこなしていく。
あとは部室の片付けか…。みんな着替え終わってるかな…。
「Aちゃん？」
「お、A」
「宮ちゃん！？」
モップを片手に部室前まで行くと、そこから出てきた人…宮ちゃんとふっかにびっくりする。
というか、宮ちゃん、ダンス部だったの？
「Aちゃんと舘様知り合い？」
「そうなの！ちょっと色々あって知り合って。
」
「じゃあふっか、気が気じゃないね？」
「ふっか男色…痛いごめん冗談、ウソ！！」
「ほらほら要らんこと言わなくていいから、走るんでしょ！」
「…き、気をつけてねー？」
「Aちゃんも無理しないでね。」
「Aちゃん倒れたばっかりだから、程々にね！」
ひーくんと宮ちゃんがそれぞれ私の肩を叩いてランニングに行く。ふっかは勿論無視。いつもだけど。
去年も思ったけど、ダンス部ってほんと運動部なんだなぁ…と、思う。
さて、誰もいなくなった部室に1人でモップをかける。
部室はそんなに汚れてなくて、ほんとにモップだけでいいらしい。
一人一人のロッカーも綺麗っぽかった。
一人を除いて。
半開きになっているロッカーから雪崩のようになっているのは見覚えのあるカバンと制汗剤。
更に制服まで辺にかかってるせいでふっかの場所だけ3人分使ってるような幅になってる。
相変わらず整理整頓は苦手なようで、思わず苦笑いした。
そんな時だった。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
