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｢アホ。お前進学希望だろ。｣
｢……んぁい。｣
｢だからそこちげえって。｣
私が話してない情報まで知ってるからやっぱりふっかには筒抜けだ。
それこそ、知らないことなんかないんじゃないのってくらい。
…普通に怖い。
｢余計なこと考えてないで早く解け。｣
｢ここわかんない。｣
｢またぁ？！｣
と、いいつつやっぱりちゃんと教えてくれるからふっかの人柄というのは推し量れないな。
なんてちょっと見直した。
｢お前小学生からやり直したら？こんな凡ミス誰もしねえよ。1桁だぞ？｣
｢……さーせん。｣
撤回。
教え上手だけど口が悪すぎるので家庭教師今すぐチェンジで。
なんだかんだ文句と罵倒を受けつつも解けていく自分が憎らしい。
そして隣でドヤ顔しているふっかも腹が立つ。
でも解けていることは事実なので、一応お礼を言うと｢俺天才だから？｣なんて返ってきた。
天は二物を与えずとは言うけど、誰だこいつに自意識過剰と頭脳を与えたのは。
ちゃんと調子乗ってますよこの人。
｢ま、とりあえずこんだけ出来たら追試受かるんじゃね？｣
｢…そうだといいね。｣
｢いや受かれよ。俺の時間割いてやったんだから。｣
｢…そーですねー……｣
いやだから、頼んではいないんだよな。
と、思いつつその言葉は言わずにしまい込む。偉い私。
確かにふっかの時間を奪ってしまったけども。
私の意思ではないのでそんな言い分にちょっと反応しつつ、ママの夕飯のお知らせの声が聞こえる。
｢今日おばさん何ー？｣
｢いやさり気なく食べてくな。｣
｢俺今日教えてあげたのに？｣
｢…わかったよ。｣
私がどう言ったところでママはちゃんとふっかの分も準備してるし、毎回なのでもう私も慣れた。
慣れたけども。なんか、なんか顔が腹立つ。
リビングに行くとママの得意料理が並んでいて、ふっかは美味しいとか、色々言いながら食べてた。
私はと言うとそんなふっかをみて｢こいつ人の親にまで愛想いいじゃん…｣なんて事を思いながらハンバーグを箸でつつく。
そんな気持ちを知ってか知らずか、私のハンバーグまで取り始めたふっかに、私はちゃんと怒ったし、結局口喧嘩に負けて泣く泣く差し出すことにはなったのだけど。
……いつか絶対負かしてやる。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
