思い想われ雨右回れ (ページ28)

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「……。おばさん、調子悪いんじゃなかったの？」
「え！？そんなこと言いましたっけ！？」

次の日、宣言通り迎えに来てくれたふっかにブラウニーを渡す。
昨日の私にハリセンで殴りつつ、「昨日は調子良かったみたいだよ！」なんて苦し紛れの言い訳をして押し付けるように渡す。

するとその場で食べようとするので慌ててとめた。

「何。腹減ってんだけど。」
「家で食べてよ！？」
「じゃあお邪魔しまーす。」
「自分の家で！！！」

遠慮なく言って上がってくるふっかの腕を引いて止める。それはもう死ぬ気で止める。

「せめて！！せめて私の居ないとこで食べて！！！」
「なんで？」
「なんでも！！！」

そりゃ、目の前で不味いとか！味変わったとか言われたら耐えられないからな！！！
とは口が裂けてもいえず。
そんな私の腕力なんか関係なくふっかはブラウニーを包んだ袋を開け始めた。

「ねぇ！ほんと待ってってば！」
「…何心配してんのか知らないけど、絶対美味いから安心しろって。」
「ママのならね！？」
「ママのならって…おばさんが作ってんだから美味いだろ。」
「そうなんだけどさ！！」

そう言って笑顔で口に放り込まれたブラウニーをみて十字を切る。
ああ、私はここまでみたいだ…と1人で廊下に崩れ落ちた。

「…美味いよ。」
「絶対五年前より美味しくないって。」
「いやむしろ美味くなってる。」
「う、うそだぁ…」
「ホントだっつの。」

ほれ。と言われてふっかの食べかけの半分を突っ込まれる。……いや、昨日要らないほど食べたから味は知ってるんだけど。

「……まぁ、私は好きな味だけど。」
「だろ。あ、喉乾いたから麦茶貰うわ。」
「もう開けてんじゃん冷蔵庫。」

そりゃこんだけ行き来してたら家の中のものも把握するわけで、遠慮なく冷蔵庫を開けて、食器戸棚のコップを出して注いでる。私よりも場所を把握している気がするのは気の所為だろうか。

結局、あげた量の半分は食べたし、なんなら冷蔵庫に取っておいた残りのやつも勝手に持ち出して自分の家に置いてってた。
嬉しいよな、なんともやるせないような。
私が作った、なんて言ったらどうなるんだろ。
なんて考えを消すように、ふっかの後ろを着いていく。

思ったよりも大きい病院に紹介されてて、採血してまた来るのかなーと思ったらまさかのその日のうちに出るという。
で、今はその検査結果待ち。