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それは私がウルトラ美人でそんなちょっかいをかける隙が無いから。なわけなくて。
よく少女漫画でみる、ふっかに近寄んないでよっ！みたいなことは1度もされたことがない。
魅力がないからと言われたらそれまでだけど…自分で言ってて悲しくなってきたからこれ以上はやめよう。
寧ろこんな関係を知っているせいなのか、憐れまれて時々ご飯に誘われたり、なんならふっかに直談判したり。
見るに堪えない、に近いのかもしれない。
それでもふっかの態度は変わる気配がないのだけども。
何度か「あんなん流石に酷いよ！Aも何か言いな！？」と言われたけど、
｢本人が変わる気ないならどうしようもないよ。｣と言った時、心当たりしかないのか女の子たちがどデカいため息を着いたのだってついさっきの話。
「拗れてるねぇ。」
「……そんなに拗れてるかなぁ。」
「ふっかも馬鹿だなぁ。」
ふっかは別に良くない…？なんて思ってたら友達がヨシヨシしてきた。
なんだかその優しさが今は染みる。
…あ、ちょっと泣きそう。
「やめとけやめとけ。フケが飛ぶぞ。」
「ふっか！！！！！」
「大丈夫。あっちいこ。」
「…………｡」
「バーーーーーーカ。」
そんな友達の手を払い、更に余計な一言。
本当は自分が言い返すべきなんだろうけど、今更そんな言葉に反応する元気もない。友達が強めに言い返してくれた嬉しさで、まだ立ち上がる元気があるうちに距離を置こうとしたら手を引かれた。
どんなに強く引っ張っても離れない手に顔が険しくなる。
「離して。」
「……｡」
聞いてないのか聞こえてないのか。
その目はどこか遠くを見ている気がして少しゾッとした。
手をわざと振って解こうとしても掴んだままで、ふっかは何も答えない。
「…ふっか？」
「〜〜〜っ！これ出しといて！」
「はいはい。」
そう言って渡された宿題。
その後ふっかは女の子達の所に戻って、私は少し離れた席の友達のところに行った。
結局離れたところで、戻れば席は隣だけど。
でもなんか、今は行きたくない。
予鈴がなって、先生が席に着けというまでギリギリ友達の席に居座る。
席に戻れば退屈そうに肘をついてるふっか。
手を伸ばせば余裕で届く距離なのに、すごく遠く感じるのはきっと気の所為じゃない。
朝、ふっかと少し縮まった気がして嬉しかったのは、どうやら私だけみたいだった。
自惚れかけた自分に心底嫌気がさして、その日はずっと、ふっかの顔を見れなかった。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
