15 ページ15
夏休みが終わって、今日からまた学校に登校する。
寝癖も直して、弁当も持って。
休み明けテストと、きっと今日もいるであろう玄関前の奴に気が重くなりながらも玄関を開けると、やっぱりふっかが居た。
しかもドアの目の前に。
「…お、おはよ……？」
「はよ。」
目の前にいることの驚きと、ギリギリぶつかりそうになったことに毎回慣れる無く驚くからホントやめて欲しい。と、伝えたところで辞める気がないのでもう言ってない。
そんなふっかの横を通り過ぎて行こうとするけど、私の歩く速度に合わせて隣を歩くふっか。
何度か振り切ろうと早くしたり遅くしたり、それこそ走ったりしたけど追いつかれるし捕まるしでいい事がなかったので、今は普通に歩いてる。
ちなみに帰りと同様、会話は無い。
勿論、一緒に行く約束なんてするわけもないし、頼んだこともないけど、なんかまぁ、一緒に歩いてるなくらいの。そんな程度の認識で一緒に登校してる。
…いや、これは一緒に登校してると言っていいの……？
ちなみにこれを見た友達は「友達同士でももうちょっと楽しそうに来るけど？大丈夫なのそれ。」と、大分心配してた。
私もそうだと思う。
でも今日のふっかはちょっと違うらしい。
「夏終わんねーな。」
「そ、そうだね…？」
急に話しかけてきたと思ったら、手持ち花火だったら何が好きとか。海行ってみたいとか。釣りしてみたいとか。
…それ夏休み中にやれば良かったんじゃ？なんて思ったけど、ふっかに話しかけられること自体珍しいので、私は相槌を打つ。
特に会話でバカにされたり、いじられることもなく、本当にただただ会話してる。
そんな空気が何だかこそばゆい。というか違和感がすごい。
「何かあった？」
「んぇ…」
逆に心配になって声をかけたらこれまた珍しい間抜けな声。
「なんもないけど。」
「あ、そう…？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
