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花より団子な私はそんな小言は受け付けない。
途中で買ったイカ焼きを片手に花火を眺めていた。
「…あっ！！！！」
「うんまぁ。」
つい大きな花火に見とれていたら、いつの間にか全部食べられていた。
「私のイカ焼き！！！」
「よそ見してるのが悪い。」
「花火見てるじゃん！」
棒だけしか残ってないそれを見ながらふっかに怒ると、ふっかの手が伸びて強制的に花火に顔を向かされた。
中々の力でやられたので首がポキッと音を立てた。やめてよ不穏すぎる。
「急にバイオレンス。」
「いーから花火見ろって。」
仕方なく花火を眺め続ける。
とりあえず、横からの謎の視線は気付かないふりをしよう、と思ったけど、どうみたって見すぎってくらい見られては何となく気まずい。
「ふっかも花火見たら…？」
「見てるよ。」
嘘つけ！！！！！
と、言える雰囲気でもないのでとりあえず気付かないふりを続ける。
段々と終わりに近いのか花火も派手になり、数も増えていく。
ハートやら星やら、どうしたらそんなに綺麗な形になるのか分からない花火や、菊見たいなら花火、変色する花火、全部が綺麗で夏を感じる。
「あ、終わった。」
「帰るぞ。」
そう言ってふっかと私は帰路に着く。
やっぱりその帰り道に会話はなくて、私は1人、明後日は学校かーとか、花火終わったなーとか考える。
「A。」
「ん？」
家に入る直前に、ふっかに呼び止められた。
「楽しかった？」
「楽しかったと言うより、美味しかったかな。」
「なんだそれ。」
「また来年も行こうよ。」
「気が向いたらな。」
なるほど。今日のは単なる気まぐれかと謎に納得する私。
それもそうか、なんて言えばふっかは何も言わずに家に入った。
ちょっと調子に乗ったかなと少し反省しつつ私も家に入る。
家に帰るとママはとてもニマニマしていて、尋問を受けたけど、最後には「なーんだ残念。」と言われた。何が残念なのかは怖くてまだ聞けていない。
ちなみにその夜。ふっかの家のベランダから「先越されたー！！！」って叫び声が聞こえたかので、きっと今マリカしてる。…どんだけ1位になりたいんだか。
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
