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結局何がしたかったのかよく分からない。
焼きそば半分食べてはこっちに押付け。
綿あめ食べたと思ったら食いかけを寄越され。
ヨーヨーとか、スーパーボールとか。
段々と荷物が増えていく。折角手ぶらだったのにぬいぐるみを持った時よりも重いし歩きにくい。
「いや、食えよ！食ったら減るだろ！」
「ええええ………｡」
「ほら！」
右手にヨーヨー。左手にスーパーボール。
ふっかの手に奪われた焼きそばと綿あめを押し付けられる。
口の中が甘くてしょっぱい。なんか忙しいみかくになってる。
「…あげてんだから少しは食えよ…」
「そうなの？」
「なんだと思ってたんだよ。」
「荷物持ち。」
それ以外思い当たりもしないこの両手の荷物を見て即答すると、バカでかいため息を吐かれた。
「…いや、俺のせいか……？」
「何が？」
イマイチ状況がよく分からないままふっかの手から食べていく。
そういえば屋台のご飯なんて大分久しぶりに食べた気がする。
「おいひいね。」(※美味しいね)
「…俺はお前見ただけで腹いっぱいだわ。」
というか、ふっかと夏祭りでこうして屋台のものを食べたのは初めてな気がする。
荷物持ちじゃなくて残飯処理ね、なんて言ったら更に頭を抱え始めてて、見てる側としては、ちょっと面白い。
堪らず笑ってしまえば次々と口に運ばれていく焼きそば。
なんだか餌付けされてる気分にもなる。
「？」
「ふふ…めっちゃ膨らんでんじゃん。」
そりゃふっかが間髪入れずに人の口に突っ込むからね？
と、言いたくても咀嚼に忙しい口はそんな反論も出来ない。
ぷっくりと膨れているであろう頬袋をつんつんするの辞めてくれないかな。出そう。
「……いー」
「なんて？」
丁度上がった花火で聴き逃してしまった。
聞き返すと「あほ面過ぎていいわー」なんて言われて私は遠慮なく回れ右をする。
少しは扱いが変わったのかと期待した私が馬鹿だった。
「丁度上がったし、こっちで見よ。」
「……｡」
思いっきり睨みつけたけどそんなの知らないと言わんばかりにスルーされてしまう。
人混みの中を掻き分けて、少し外れた道で空を見上げる。去年と同じ花火が夜空に上がっていた。でも去年は自分の家で見てたから少し遠く感じたけど、今年は頭の上で上がってるような臨場感がある。
わざわざみんなが外に出て見に来るのはこういうことかと初めて納得した。
「夏って感じだわー。」
「ほーはへー。」
「お前はいつまで食ってんだよ。」
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年9月26日 20時
