思い想われ雨右回れ (ページ11)

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折角ふっかを追い抜いて1位だったのに、甲羅のせいで5位まで転落。
ふっかはいつもよりテンションが高くて、楽しそうに隣でイキリ散らしてる。
そんな喜ばなくても良くない？とこっちとしては大分テンションが下がりかけたけど、まあ嬉しそうだしいいかなんて。

私はもしかして、大分ふっかにチョロいのかもしれない。
幼馴染効果ってやつ？…なわけ(自問自答)

「ふっかふっか。」
「誰が羽毛布団だ。」
「…何の話してんの？」

拾いきれないボケに突っ込むと物理的に肘で攻撃されてコースが外れた。そのせいでまたふっかに負ける。
これじゃあ、もうなんでもありな出来レースじゃないか。

「私、素直な人好きだよ。」
「バカはバカに惹かれるってこと？類友？」
「………。」

明日ホントに用事入れてやろうかな。
入れたらきっとガチで怒るんだろうな…なんて、容易に想像出来る私も自意識過剰移ったかも。

ふっかは相変わらず何を考えてるか分からない顔でゲームの画面を見つめている。
何もそこまでガチらなくていいじゃん、ってくらい真面目に。
ほんの少し自意識過剰だった私の頭は、やっぱりふっかを理解できなくて直ぐにその考えを否定した。

「明日まじで迎えに来るから。」
「わかってるってば。」
「どこにいても迎えに行くから。」
「それはちょっと怖くない？」
「空気！お前ほんと空気読まねえな！」

どうせ逃げたところで追いかけ回してくるであろうふっかを容易に想像できる。
ついでに言うと絵面が怖い。
でもふっかなら、きっと地平線でも追いかけてきそう。冗談抜きで。

そんな執念深さはゲームにも現れていて、その後は勿論、私のボロ負けした。
普通に悔しい。

「じゃ、気をつけて帰ってね。」
「……お前さぁ…。」

大分夜も更けて、ちゃっかり家でご飯を食べてから帰るふっかを見送る。
見送っただけなのにため息をつかれてしまい、私は顔を顰めた。

「お前ってホント、そういうとこだよなぁ…。」
「じゃあ見送りもうしない。おやすみ。」
「は？なんで？しろよ。」

何処までも偉そうで、命令口調なそれはもう慣れたもので。
どうせ見送らなかったら見送らなかったで拗ねて次の日厄介になることなんかもう経験済み。
別に怒られるからという義務感より、ただ私が見送りたいだけなのもあるけど。
そんなこと言ったら絶対バカにされるから言わない。

ほんと、ふっかには言えない気持ちが多すぎる。