[続] デ レ 病 ≪ 重岡・小瀧 ≫

デレ期 ２２ ページ22

あれから私と宇佐野さんは

川で楽しそうに釣りをする桐山さんと小瀧さんと大毅を見つめて。



ただ見ているだけの私たちを気にかけてくれていた桐山さんは

「じゃあ今から全員で魚つかみ取りしようや！」と言い出した。





桐山さんの話によるとここの川は魚が思った以上にたくさんいるらしく。

どうせなら釣りをするより魚つかみをした方が楽しいらしい。



そんな桐山さんはさらに「全員強制参加や！」と得意げに言った。






そして仕方なくズボンを膝の上まで上げて川の中に入る私と宇佐野さん。

それに比べて男子たちは楽しそうに魚を追いかけていた。



どこか浮かない顔をした宇佐野さんは小瀧さんと顔を合わせたくないのか

私と一緒に魚を捕獲することになった。





ちらっと小瀧さんの方を見れば桐山さんと楽しそうに魚を探していて。

大毅は相変わらず一人で楽しそうに魚を追いかけていた。





『小瀧さんといなくて大丈夫？』


「今はあんまり話したくないかな」



私の言葉にそう言う宇佐野さんは小瀧さんと顔を合わせたくないらしい。

やっぱり喧嘩したんやなぁと思い知らされた。






すると突然後ろからばしゃぁあっと勢いよく水をかけられて。

慌てて振り返ればどこかにこにこしている大毅がいた。



そんな大毅は振り返った私にさらに容赦なく水をかけてきて。

おかげで私は一瞬でびしょびしょになってしまった。




どうやら大毅は海での水のかけ合いがとてつもなく楽しかったみたい。





「ふふっ…トマトの仇や〜！！」


『なっ…！大毅別にトマト食べてへんやろ！』



そう言いながら水をかけてくる大毅に腹が立って

私も大毅に勢いよく水をかければ嬉しそうに逃げ回る大毅。





「でもトマト食わせようとしたやんか…！」


『大毅が好き嫌いするから悪い！』



結局私たちは川の中で水のかけ合いをしながら追いかけっこ。

私と大毅が走る度にばしゃばしゃっと跳ねる川の水がとても気持ち良かった。







「おい！お前ら…魚が逃げてまうやろぉお！」



走り回る私たちに慌ててそう言う桐山さんの周りには魚がいなくなっていて。



そんな桐山さんにもふざけてばしゃっと水をかければ

大毅も私の真似をして桐山さんにばしゃっと水をかけた。





「お前ら何すんねん！」と言って変顔をする桐山さんがおかしくて

ついつい大毅と二人でお腹を抱えて笑ってしまった。







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