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. 深澤side
照が店を出てからビールを飲みながら
自分の恋愛について思い返す。
彼女は同じ会社の部署の後輩で、
仕事を教える内に仲が深まり気づけば
目で追うようになっていて。
そう感じはじめた時、彼女から告白された。
付き合っている間は俺なりに尽くしたつもりだった。
考えを深めれば深めるほど
振られたことに納得出来ず、むしゃくしゃした。
晴れない気持ちを紛らわす様に、
長らく控えていたタバコを手にし、火をつける。
携帯を見つめながら3分の1位を吸い終わった頃、
1人で座る俺のテーブルに誰か立ち止まる気配を感じた。
あ、という声とほぼ同時に顔を上げれば
なぜか照はおらず1人で気まずそうな顔をする彼女。
ごめんね、と一言伝えタバコの火を消す。
すぐに照が後ろから追いついて、
ひょっこり顔を出す。
｢おまたせ。こちら俺の同期のAA｣
紹介されて目を合わせ会釈をしてくれたAさん。
よく照から話は聞いてる、と伝えてみれば
少し驚いたような表情をした。
聞いてるって言っても、仕事の話しか聞いてなくて、
プライベートなことは正直何も知らないけど(笑)
『あ、でも、私も照から深澤さんのこと聞いてました！！』
椅子に座るなり はっとしてそう言った彼女
｢えっ？｣
｢おい、お前ら、俺そんな何も言ってねえだろ、互いに誤解するなよ｣
俺らのやり取りにすかさずつっこむ照。
いや、仕事の話で同期の話が出てくるのは
納得いくだろうけど
｢俺のこと照からなんて聞いてるの？Aさん｣
｢顔がでかいリアコとしか言ってねえよ｣
『 ..まあ (笑)』
｢おいおい酷い言われようだな｣
ちょっと期待したのが間違いだったわ。
｢まあまあ、おふたりさん仲間なんだからさ、今日を機に仲良くなってよ｣
話を変えるように照が俺らの肩をぽんと叩く
仲間？
.
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月14日 13時
