11 ページ11
. you
話に夢中で、全く時計を見てなかった。
明日は休日、というのをいいことに
時間も忘れて飲んでしまっていた。
いい感じに回ったアルコールが
体をぽかぽか温めてくれている。
照はそう遠くは無いけれど
ここから電車に乗らなければいけない距離。
私はと言うとバスに乗るか、歩くか、くらいの距離。
あれ、深澤さんはどうやって帰るんだろう。
お会計を済ませながらふと考えが過ぎる。
「ありがとうございました〜」
ご馳走様でした、と告げ
近くで待っていた2人と合流し、外へ。
あんなに降っていた雨も湿った空気だけを残し
すっかりあがっていた。
「最後に急かしてごめん、2人とも気をつけて帰って！！」
今度またゆっくり飲もう、と言って
駅の方へ急いだ照はあっという間に夜の闇へ。
深澤さんと2人になった。
とりあえず帰りかた聞かなきゃ、
でも照と一緒に行かないってことは、、？
『深澤さん、私ここから歩くんですけど、帰りって、』
「俺もだから一緒に帰ろっか。」
あ、やっぱり一緒だった。
『あ、はい！』
歩き出した深澤さんに追いついて横に並ぶ。
初対面のはずなのにどこか居心地が良くって。
「..ん？ どしたの？」
歩きながら考えていたら、
いつの間にか見つめてしまっていたみたいで。
視線に気づいた深澤さんと目が合った。
『あ..いや、なんか初めて会った感じしないなあ、なんて思ってました、(笑)』
「なにそれ、かあいいね(笑)」
ふっと笑って細められた目。
え？かわいいって言った？
「.. ねえ俺さ 」
笑顔だったかと思えば急に真面目な顔で
見つめられる。
... これは リアコだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月14日 13時
