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. 照side
仕事終わり、飲みに行こうとの誘いを受け
向かった先は行きつけの居酒屋。
｢は？お前別れたの？｣
｢俺から好きだって感じられなくて不安だったってさ、わかんねえよな〜。｣
｢ふっかはさ、好きだったの？ちゃんと｣
俺を呼び出したのは高校からの付き合いの深澤。
学生時代からのモテモテ伝説は現在進行形。
今でも浮ついた話を聞くことは多く。
でも誰でも付き合うような奴ではなくて
断る時はちゃんと断ってるみたいだけど。
｢きっかけは告白されたからだけど、ちゃんと好きだったつもりなんだよ、俺も。｣
でもここ数年ふっかが彼女と上手くいってるのを長く見た試しがない。
｢半年くらいだっけ｣
｢そー、あと少しで半年だった。｣
はぁーーと大きいため息をついてテーブルに項垂れるように突っ伏した。
これだけ落ち込んでる様子を見てる俺からすれば
きっと好きな気持ちはちゃんとあったんだろうけど。
項垂れたふっかにそう声を掛けようとした時、
ポケットの携帯が震え、着信を知らせる。
着信.. A
あまりにも珍しい表示に思わず2度見する。
｢なになに、照、彼女？｣
いつの間にか顔を上げたふっかが俺を見てにやにやしてくる。
｢違えよ、同期。こいつ彼氏いるし。｣
｢あー、言ってた子か！｣
会社の話をすると必然と同期の話題で
Aの存在はふっかにも言ったことがあった。
｢悪ぃ、こいつが電話してくるの珍しいから、ちょっと電話でてい？｣
｢おー、もちろん。｣
返事をしたふっかはすいませーん！生ビール1つ！と
呑気に追加注文してる。
｢... もしもし？ ｣
『あーもしもし照？今何してんのー？』
店の少し端に行き通話ボタンを押せば
いつも通りのAに現状を尋ねられる。
｢今？今ねぇ、ちょっと飲んでるけど。つか急にどしたの？なんかあった？｣
ふっかのことはAにも話したことがあったけど
面識はなかったから敢えて伏せておいた。
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月14日 13時
