【恋愛】王子様とメイドさん～男装女子と女装男子たち～ (ページ9)

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８話ページ9

A「ふんふ～ん♪」

私は鼻歌を歌いながら更衣室で更衣をしている。

男女兼用なのだが、男性王子スタッフは今日は全員休み。執事スタッフも今日は男装執事のカエデだけという子ともあって堂々と着替えていた。

レイナ「おっはようございま～すっ！」

明るい声でレイナちゃんが入ってくる。

そのレイナちゃんの後ろにはほかのメイドの明日香ちゃんと菜々美ちゃんがいた。

明日香「蓮さんってさらしまいてるんですね・・・。」

菜々美「意外に大きいですね！」

レイナ「うらやましいです。レイナたちそんなにないから・・・」

３人が自分の胸に手を当てる。

切なそうな表情が何とも言えないほどかわいい。

A「気にすることないって！３人はかわいいんだし！」

レイナ「気にしますよ！女の子だったら気にするとこですよ？」

そういいながらレイナちゃんはさらしのホックを止めていっている私の胸にじっと視線を向けている。

A「レ、レイナちゃん。できれば下着外してる状態だからそんなに見られたくないんだけど・・・」

レイナ「あっ！ご、ごめんなさい！下着まで外すんだなぁって思って・・・」

A「じゃないとつぶれないかなって思ってね。」

レイナ「あ、ところでクイーンから聞きましたか？」

A「えっ？何を？」

レイナ「今日途中で和人さん来るみたいですよ！」

A「えっ・・・。」

私の胸がどきんっと跳ねる。

そう、私が上機嫌だった理由は和人さんがらみだったのだ。

昨日あの後、私は和人さんに家まで送ってもらった。

A「送ってもらっちゃってすみません。でも、どうしてあんな場所にいたんですか？」

和人「どうしてって、呼ばれたから。時雨にキャバクラ行こうって」

A「・・・。」

和人「って、そんな「うわぁ・・・」みたいな顔すんなよ！とりあえず来いってライン来て、言ったら内容きかされて帰ろうと思ってたとこだったんだよ！」

そういって和人さんは私の家の玄関先で向かい合っている私の腰を自分へ引き寄せる。

和人「俺は今はお前に夢中なの。だからお前は何も心配すんな。」

A「・・・はい。」

私たちの唇がどちらからともなく重なり合う。

さよならの口づけ。

それが私の上機嫌の理由だった。

明日香「レイナ、先出てるよ。」

レイナ「あっ、うん。」

明日香ちゃんと菜々美ちゃんが早着替えを終えて更衣室から出ていく。

するとレイナちゃんはゆっくり私へと近づいてきた。