【恋愛】王子様とメイドさん～男装女子と女装男子たち～ (ページ8)

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７話ページ8

零「俺、高３なんだけど。」

「・・・。」

「・・・・えっ・・・・。」

私と和人さんの声が重なる。

身長と顔の幼さから私も多分中学生くらいだろうなぁって勝手に思っていた。

まさか私と同じだなんて・・・。

私も実は高校３年生だったのだ。

零「でもまぁ、子ども扱いにちょっとむかついたけど俺はまだまだ子供何で別に気にしてませんよ？」

和人「そ、そうか・・・？な、なんか大人だな・・・。」

零「・・・大人？」

　「言ったでしょ？俺、子供だって・・・。」

　「やられたらやり返す主義なんですよ。だからこの腹いせに・・」

グイッ・・・！

A「えっ・・・。」

私の手首が急に零君につかまれ、下へと引っ張られる。

私の上半身は少し下に下がり、そんな私の頬に零君の唇が触れる。

A「！！」

和人「お、おまっ！！」

零「やり返し方は一つ。あんたからこのかわいいお姫様、奪ってやるよ。」

和人「・・・確かに子供だな。Aっ！」

A「あ、はいっ！！」

和人「送るから一緒に帰るぞ！」

A「は、はい！」

私は和人さんに駆け寄り、隣を歩いた。

A(奪うとか言ってたけど・・・もう会うこともないわよね。お客さんとしてこなきゃだけど・・・)

そんなことを思いながら私は零君の方へは一度も振り返らなかった。

だから知らなかった。

この時零君が勝ち誇った顔で微笑んでいたということを。