【恋愛】王子様とメイドさん～男装女子と女装男子たち～ (ページ6)

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５話ページ6

零「最初は手紙にも書いたように男を学びに行ったんだよ。」

零「だけど俺が店で見たのは王子様じゃなくてお姫様だった。」

A「えっ・・・？」

零「お姫様たちがかわいいでしょ？って見せてくるアクセサリー、キーホルダー、そして洋服。」

　「それに君は誰よりもかわいくて仕方がないというまなざしを向けていた。」

　「それを身に着けているお姫様以上にね。」

A「そ、それはただ単にかわいいものが好きで・・・」

そうだ。

ただかわいいものが好きなだけ。

それが私がお姫様に見える理由にはならない。

零「瞳は女の子だったよ。」

A「えっ・・・。」

零「誰よりもかわいい瞳をしていた。今まで見たことない瞳の輝き方だった。」

A「！！」

零君の言葉に恥ずかしさを感じる私に零君は色っぽい笑みを浮かべてきた。

そんな表情に私の胸はドキドキと大きな音を鳴らし始めた。

零「いうと、君がかわいくてかわいくて仕方なくなったんだ。」

A「なっ！！で、でも、私はあなたより背が高いし・・・っ！」

零「かわいさと身長って別に俺は比例しないと思うよ。」

　「それに俺は身長なんて気にならないし。」

A「で、でも私なんて可愛くないよ！本当に！」

　「かわいい服装を着ても似合わないって言われて、笑われて、気持ち悪がられるだけの子がかわいいだなんてっ・・・！」

零「そう言われたことがあるの？」

A「！！」

零君は冷たい瞳をしながら目を細める。

まるで何かに怒っているような・・・

とりあえず彼の怒りが私に向けられているものではないのはわかった。

そして零君のことばは

・・・図星だった。

小学校６年生の時に私は奇跡的な身長の伸びを見せた。

女の子ではそうそうありえないだろう。いや、男の子でもそうめったにいないと思う。

小学６年生の女の子が身長１７０センチだなんて・・・

可愛い服が好きだった私は幼いころからかわいい服を着て学校に行っていた。

だけどそれが次第に笑われるようになっていった。

似合わない。

男が女の格好をしていると。

女の子にはなぜか「かっこいい」と告白される。

自分がかわいくないことは私自身が一番よく知っている。

だからかわいくだなんて・・・－－－

零「俺は君はかわいい格好が似合うと思う。」

A「えっ・・・。」

零「俺が君をかわいいお姫様に変えるから俺のお姫様になってよ。」

そういって零君は私に手を差し出した。