【恋愛】王子様とメイドさん～男装女子と女装男子たち～ (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,025 hit

４話ページ5

「蓮さん、ここはお店じゃないんだから一人称は‘私’でいいよ。」

A「えっ！？あ、うん・・・。」

「あと、声の高さも普通でいいよ！」

A「は、はい・・・」

A(おかしいなぁ・・・私、自分が一人称本当は‘私’って話も声変えてるって話もしたことがないのに・・・)

A(どうして知っているんだろう・・・。)

そんなことを疑問に思いながら彼の次の言葉を待った。

「俺の名前は加藤零(れい)。蓮さんの本名もよかったら教えてよ。」

A「あ、私は本名は皇Aっていうんだ。」

零「Aかぁ・・・素敵な名前だね。」

A「あ、ありがとう。」

彼と話していて思う。

・・・目的がわからない。

いったいなぜ彼は私を呼んだのだろう。

男を学ぼうとしていたというのは手紙にかいてあってわかった。

でも、私に女である本当の姿を求めてきたという子とは想像していたもの。

すなわち‘告白’ではないのだとおもう。

彼の目的はいったい何なのだろう。

A「ね、ねぇ・・・加藤君？」

零「加藤君なんてやめてよ。零でいいよ。」

A「あっ・・・じゃぁ零君。」

A「いったい私に何の様なの？」

零「何の用か？そんなの決まってるじゃん。」

零君は私にまっすぐ手を伸ばしてくる。

身長は１６４センチくらいだろうか。

私より身長が低い彼の手はまっすぐと私に伸びてくる。

そのうえ上目遣いをしてくる。

男らしい目つきで。

A「れ、零君？」

零「初めて店に行ったときに俺、君を見て思ったんだ。」

A「わ、私を見ていったい何を・・・？」

零「それはね？こう思ったんだよーーーーーー」

零「－－－－この子がほしいって・・・。」

A「！！」

私の顔が無意識に熱くなるのを感じる。

私は今もしかして・・・

もしかして・・・

零「ねぇ、俺のお姫様になってよ。A。」

A(こ、告白されてる！？)

この日、王子様は魔法使いに出会う。

そして魔法使いが王子にある魔法をかけるのだった。