【恋愛】王子様とメイドさん～男装女子と女装男子たち～ (ページ3)

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２話ページ3

レイナ「実は以前この店に来た友人にこの手紙を渡してほしいと言われておりまして・・・。」

レイナちゃんが私に差し出す封筒。

それはかわいらしいどこか落ち着きのあるレース柄の封筒。

A(な、なんてかわいい手紙なんだろう・・・！)

この便箋を選んだこの顔がすごく気になる。

きっと今私の目の前にいるレイナちゃんのように長いゆるふわパーマの髪でどこか落ち着きがあるおしとやかな女性なのだろうか・・・

A「・・・・ん？」

ここに来てやっとあることに気づく。

A「・・・。」

私は便箋をじっと見つめる。

A(どう・・・考えても・・・)

A(同性からっ！？)

私は正直に言うとかわいいものが大好きだ。

そしてかわいい女の子ももちろん大好きだ。

だけど決して女の子が好きなわけではない。

私はこんな背高のっぽでも守ってくれる男の人が好きなんだ！

それにーーー

私は手紙を何とも言えない思いを込めながら見つめる。

レイナ「仕事終わったら読んであげてください。」

A「えっ！？あっ・・・うん。」

レイナ「では、私は先に戻らせていただきますね。」

そういってうちのナンバーワンメイドはかわいい笑顔を私に向けて去っていった。

A(かわいいなぁ・・・)

目の前の問題を投げ捨て、私はかわいいレイナちゃんに癒されていた。

「またのお越しをお待ちしております。まどか姫。」

執事が会計時にスタンプカードの名前を見て名前付きのお見送りを姫にする。

実は仕事量に差はないけれど、分担はある。

会計担当はメイドか執事。

調理はクイーンか王子。

運ぶんだりドリンクを作るのは全員。

テーブルセットなどに関しても全員で行う。

格差はないとはいえメイドと執事は設定上、王子やクイーンより１歩先の動作を求められる。

それでもってうちの執事とメイドは仕事のプライドが高く、正直王子やクイーンの何倍もの働きをしているといっても過言ではなかった。

「道中、お気を付けくださいませ。ナナミ様。」

優秀な執事がまた一人、お見送りする。

そのお姫様が最後のお客様なので執事とメイド全員がその姫に対して頭を下げる。

そして王子やクイーンは手を振るなり各々の送り方をした。

葵「はぁ～！終わった終わった！」

時雨「浩輔ちゃ～ん。たまには一緒にクラブにーーー」

浩輔「一人で行け」

皆は無駄口をたたきながら閉店作業をする中、私はもらった手紙について考えていた。