イ ベ リ ス 3

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よいしょっと。じゃ、話しても大丈夫?




あーそんな力入れて聞かなくていいから。笑




どこから話そうか…。




まぁ、みんなが分かる通りここは桜井学園っていう孤児院
で、親に捨てられた子供達が住んでるの。




私もその中の1人で、5歳の時にここに入ったの。




ふふっ、みんな同じ顔してる。




ここに入る前はお父さんとお母さんと私で暮らしてた。




でも、みんなも何となく察しはついてると思うけど
私の家庭は平穏なんかじゃなかった。




毎日、朝から夜まで殴られたり蹴られたりする
虐待ってやつ。それにあってた。




そりゃ、殴られたり蹴られたりすればクソ痛いよ。




でも、私に暴力を振るった後の2人は満足そうに笑ってて
スッキリしたなんて話してたから大好きな2人の為なら
どんなに痛くても怖くても我慢してた。




ま、それは4歳くらいまでの話なんだけど。




ん?どういうことかって?




それはね、お父さんが不倫しちゃって家に帰って
こなくなっちゃったの。




そしたら、お母さんはそれを知っちゃってその腹いせに
殴ったり蹴ったりだけじゃなくて包丁で私の身体を
傷つけていったの。




最初は浅かったんだけど、日に日に深くなっていって
最後には思いっきり刺された。




近所の人が毎日子供が泣いていて、お母さんやめてって
叫んでるって通報入れてくれて私は救急車で病院に
運ばれた。




先生から聞いたけど、その時の私は身体的にも精神的にも
やられちゃってて2ヶ月目を覚まさなかったんだって。




今もその傷跡は身体中に残っていて、ナイフや血を見たら
その時のこと思い出して怖くなる。




お父さんは家を出て行って私とお母さんを捨てた。




お母さんはその腹いせに私を殺そうとした。




そんなことがあったから人なんか信じれなくなった。




だから、みんなのことも信じれなくてずっと距離を
置いていた。




強い人ぶってたけど、私はただの弱虫なんだよ。






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