イ ベ リ ス 2

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目の前の状況から逃げたくて一目散に扉に向かい

開けると目の前に広臣が立っていた。



でも、奥にいる友里恵の姿を見ると私の押しのけ

友里恵の元に駆け寄っていった。



それがショックでその場から動けずにいると広臣が

私の名前を呼び振り向くと目を見開いていた。



でも、それよりも友里恵から流れる血の水たまり





「っ、ぁ、」





昔の自分と重なり顔を背けてしまった。





「ぐっ、くる、し…」



剛典「お前、自分が何したかわかってんの?」



「た、かのりくん…離して…」



剛典「気安く名前呼んでんじゃねぇよ」



「ケホッケホッ…」





胸倉を掴まれ息が出来なくなると手が離されその場に

尻餅をつくとまた胸倉を掴まれ剛典くんの手が

振りかざされる。





『ごめんなさいっ!だからやめてっ!』



『うるさいわね!』





「ぁ、ごめんなさい…やめて!お母さん!!」



剛典「え、」



「ぁ、っ、」





昔と今の状況が重なり思わずそう叫んでしまった瞬間

剛典くんの胸倉を掴む手が緩み振り上げれた手も止まる。



逃げるのは今しかないと思い、手を振り払いその場から

逃げる。



トイレに逃げ込み、血で汚れた手と顔を洗う。



水に流される血と服につく血を見ると意識が

遠のいていった。





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