イ ベ リ ス 2

065 ページ16

-広臣side-





今日のAはおかしい。



俺の隣に座るのに、昔のように直人さんの隣に座るし

俺が話しかけても目を見て話してくれないしすぐ終わる。



俺なんかしたかな。





直己「トレーニングの前に戻るって言ってたけど

なかなか戻ってこないね」



「俺、A呼んできます」



友里恵「私が呼んできます!」





友里恵ちゃんが走って行ったけど、俺が行きたかったな。



Aを迎えに行った友里恵ちゃんはしばらく帰って

来なくて、しびれを切らし俺が行こうと扉に手をかけると

扉がガチャッと開く。





「え、」



ELLY「友里恵ちゃん!?」



友里恵「臣、くん…」





口元を切り血が滲み泣いている友里恵ちゃんがいた。



友里恵は倒れるように俺に抱きつき「Aが」と呟く。





「Aがどうしたの!?」



友里恵「Aが、みんなと仲良くしててウザいって

言っていきなり…殴ってきたんです…」



剛典「Aが!?」



「はい…」





親友なのに酷い、とさらに泣き出す友里恵ちゃんの

背中をさすってあげると、今まで見たことない顔をした

直人さんと直己さんが楽屋を飛び出した。





「大丈夫、大丈夫だよ」



隆二「アイツ許さねぇ」



剛典「今日調子おかしかったのってそれかよ」





Aがそんなことするはずがないってわかってるけど

友里恵ちゃんはそう言ってるからどっちかわかんねぇよ。






.

066→←064

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す