イ ベ リ ス 2

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全くと言っていいほど誰も来ない屋上に行く。





「さっむ…」





ぶわっと風が吹き、髪の毛が舞い上がる。





カチッ





「ふぅ…」





吸った煙が肺に入り私の心を落ち着かせる。



昔から嫌なことあったら吸ってたけどこのことは

誰も知らない。



でも、施設の人は知ってるかもしれない。



部屋に灰皿とかあるし。





ピコン♪





パーカーのポケットに入れていた携帯の通知音が鳴り

取り出すと直人くんからだった。





直人［楽屋戻っておいで。今盛り上がってるから!］



「ちっ、そんな気分じゃねーのに」



［もう少ししたら戻るよ］





それだけ返信し、残りのタバコを吸う。



ポケット灰皿で火を消し臭いが目立たないように

普段かけない香水を全身にかけまくる。





友里恵「やーだー!あ、A!」





楽屋に戻ると笑顔の友里恵が私に気付き私の名前を呼ぶ。



気安く呼んでんじゃねーよ。気持ち悪い。



手招きされたから友里恵の隣に腰を下ろす。





剛典「お前なんで言わなかったんだよ。

友里恵ちゃんと中学の時の親友だって」



「……どうでもいいかと思って」



健二郎「メンバー何やから教えてくれたってええやん」



友里恵「まぁまぁ。

言うタイミングが無かっただけですよ。ね、A」



「そう」





いつから私とアンタは親友になったんだ。



でも、そんなことを顔にも出さず友里恵の話に合わせる。





広臣「…A、香水つけてる?」





私が来た時から黙ってた広臣が私に近づき匂いを

嗅ぎそう言うからドキッとしたけどどうにか誤魔化す。





「最近つけ始めた」





それで納得したのかは知らないが。





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