キミのいない夜 -2-

031 ページ31

-剛典side-





俺の言った言葉に目を丸くさせるA。





「話ってAもこのことでしょ?」



A「…うん」



「臣さんのこと好きになっちゃったからでしょ」



A「な、んでわかったの」



「Aが好きだからだよ」





好きな子のことなら何でもわかるよ。



だって、ずっと見てるんだから。



俺がそう言えば「ごめんなさい」と泣きながら

何度も謝る。





「もー泣かないでよ。俺はもうAの涙を

拭ってやることできないんだから」



A「ほ、んとに…ごめんなさい。

私から、誘ったのに…ほんとにごめんなさい」



剛典「謝らなくていいって。

Aとの関係はあれだったけど幸せだったんだよ。

だから、謝らないで。笑顔でいてよ」





情けないけどそんな謝られると俺まで泣きそう。



泣かないように我慢してるとAの頭に手が乗った。





A「剛典、今までありがとう。

でも、会わないなんて言わないで。

私、剛典とはこれからは友達でいたいから」



「っ、当たり前」





俺より年下のくせに偉そうに。



でも、泣きながら笑ってそう言うもんだから

我慢してたけど涙が溢れ出したじゃん。





「ちゃんと隆二さんもフッてやってよ。

じゃないと女だろうがAのこと殴るから」



A「ふふっ、それはやだなぁ」




抱きしめてやることは出来ないけど

友達として頭を撫でてやることは

これからも出来る。





.

032→←030

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す