キミのいない夜 -2-

028 ページ28

.





「…直人さんは」



直人「ん?」



「臣のこと諦めろ、と言いますか?」





まだ気になるって感じだけど、ゆくゆくは好きになって

付き合いたい、とは思う。



でも、私の気持ちにも臣の気持ちも知ってしまった

直人さんにそれを止められるんだったら好きになる前に

臣から離れる。





直人「俺がそんなこと言うわけないじゃん」



「へ、」



直人「俺は一々人の恋に口出しはしないよ。

でもね、岩ちゃんと隆二がどうなるんだろって」



「…私、剛典と隆二に酷いことしちゃったんですよ」



直人「そうなの?」



「何をとは言えないけど、すごく酷いことです。

それなのに私が臣を選んでしまったら…

2人は私を恨むでしょうか?」





私がそう言った時、頭にまたポンと手が置かれる。



直人さんの顔を見ると大丈夫、と言うよに微笑んでいる。





直人「岩ちゃんと隆二が本当にAちゃんを好きなら

きっと臣を選んでも恨むなんてことは無いよ。

あの2人ならAちゃんを祝福してくれるよ」



「は、い…」



直人「じゃ、三代目のリーダーからAちゃんに

命令です。

しっかり、2人をフッてあげてください」



「わかりました…。

直人さん、ありがとうございました」



直人「どーいたしましてー!!」



「わ、ちょっと!」





涙を拭ってお礼を言ったら頭をわしゃわしゃとされる。



別に帰るだけだからいいけどさ。





「直人さん、私からのお願い聞いてくれますか?」



直人「いいよ」



「もし、2人が落ち込んでる時は私の代わりに

慰めてあげてくださいね」



直人「任せなさい」



「あ、あと私がもし臣にフラれた時も」



直人「それはないでしょーが」



「いだっ!」





直人さんに手刀を入れられる。



直人さんのおかげで私、前に進めそう。



『俺と恋しようよ』



臣の言ったその言葉通り、私は臣と恋がしたい。





.

029→←027

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す