路地裏ロボット《怪盗キッド》 (ページ10)

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製造番号８快斗side ページ10

快斗side

彼女は《ロボットみたい》だった。

別に、動きが変とか頭が３６０°回るとかそういうのじゃなく。

ただ、直感的にそう思った。

なんと言うか、雰囲気だ。

本当に、ガッシャンガッシャン音がする訳でもない。

逆だ。

動きが完璧過ぎる。

何をやっても失敗しない。

ただ単にそういう才能の持ち主なのかもしれないが……

俺はそうは思えない。

だけど、彼女は昨日会った少女だ。

敬語だってそっくりそのままだ。

黒髪に水色の瞳、ほら、瞬く時に一瞬光がなくなって、開く時に光が入って───

『……私の顔に何かついているんですか？』

快斗「へっ！？あ、い、いや、何でもない！」

『本当ですか……』

雨宮サンが俺を疑わしげに見てくる。

そして今度は視線をさ迷わせて近くにいたクラスメイトに声を掛けた。

『すみません高嶋君』

高嶋「ん？何だ？」

『私の顔、何か付いてます？』

高嶋「いや、何もついてねーよ？」

『そうですか……ありがとうございます。』

高嶋「おう！あと敬語そろそろ外せよ～。」

そう言って高嶋は去っていくかと思いきや、俺の腕を小突いてニヤニヤしながらこう言った。

高嶋「お前、雨宮サンの事気になってるだろ」

快斗「はっはぁ！？べ、別にぃ！？」

高嶋「へぇーそうなんだーw

雨宮サンの事大半の男子が見てっからな～。」

快斗「な、何ぃぃぃ！？」

俺は思わず机を叩いて立ち上がっていた。

『黒羽君ってこういう系の人だったんですね』

高嶋「ああ、正直俺も驚いてるよ……」

快斗「ちげーよ！？あ、違うから雨宮サン！」

そんなヘマをやらかした俺の肩を叩いて「まー、頑張れよ」と言って去っていった高嶋。

えー、こういう時ってどうすんだ？

まずは友達から？

………………よし。

快斗「あ、あの、雨宮サン！」

『はい？』

快斗「と、友達になってくれませんか！？」

さぁ、yesかnoだ。

『………』

どっちだ！？

『……………黒羽君が友達第１号ですね。』

快斗「それって！」

『yesって事ですね、はい。』

来たぁぁぁぁぁ！