路地裏ロボット《怪盗キッド》 (ページ38)

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製造番号３６ページ38

ベルモットに江古田駅まで送ってもらい、帰路についていると、後ろに気配を感じた。

振り返る隙もなく、何者かの手によって私は視界を奪われた。

？「んふふ、だーれだっ！」

『園子。あと隣に蘭ちゃんもいるでしょ？
それにコナン君もいますよね。』

園子「えぇっ！？何で分かっちゃうの、つまんない！」

蘭「まあまあ、いつも当たってるんだし。」

コナン「僕の事も分かるようになったんだね！」

『ふふん、修行を積みましたからね！
それで？私に何か用ですか？』

園子「ふっふっふ、聞いて驚け雨宮A！！
今週の土曜日、我が鈴木財閥が開催する宝石展にキッド様が来るの！ね、一緒に行かない？」

キッド様、の単語で私は吃驚した。

そうだった、キッドさんは人気の大怪盗でしたね。

それに、園子が大ファンときた。

───そうだった、私が会っていたのは有名人だった。

コナン「どうしたの、A姉ちゃん？」

『ん？いや、何でもないですよ。
園子、私も行っていいんですか？』

園子「もっちろんよ！
蘭も土曜日空けといてね！ガキンチョも！」

蘭「はーいっ！」

コナン「うん！」

それじゃーね、と満足気な園子達と別れた私は、少し先に見える工藤邸を見て溜息をついた。

赤井さんと喧嘩したのは昨日の晩だったのに、凄く昔に思える。

…………私が悪かったんですし、きちんと謝ろう。

そう決意した私は、大きな扉を開けた。

『た、只今帰りましたぁ。』

昴「おや、お帰りなさい。」

赤井さん……昴さんは夕飯を作っていたのか台所からひょっこりと顔を出した。

朝会っていないからだろうか、妙な安心感がある。

私がリビングに直行してソファに座ると、昴さんが変装を解いて私の隣に座った。

数秒の沈黙がやけに重々しく感じる。

『あ、あの、赤井さん……
昨日は、卑劣な言葉を言ってしまって、済みませんでした………』

スカートを握りしめながら恐る恐る謝罪の言葉を口にしても、赤井さんは何も喋らない。

『あの…本当に反省しているので……』

赤井「A」

『は、はいっ』

赤井「…俺も、少し言い過ぎた。済まなかった。
だが１つだけ確認させてくれ、キッドには何もされていないな？」

余りにも真剣な顔で聞かれるから、私は思わず吹き出した。

『大丈夫ですよ、何もされてません。
さ、お腹が空きました、肉じゃが食べましょ！』

赤井「……そうだな、今日の隠し味は分かるかな？」

『楽勝ですよ、きっと！』