製造番号27 ページ29
Aside
電車に乗るのも何年ぶりだろう。
そんな事を考えながら電車に揺られていると、マナーモードにしておいたスマホがポケットの中で振動した。
『((ん、メール?
………赤井さんからだ。))』
《A、昨日は機嫌を悪くしてしまってすまなかった。
今日は工藤邸に寄らなくてもいいが、安室君の所には寄って行けよ。》
『たった二言ですか…。
全く、かまってちゃんですか、私の父親は。』
私は深いため息をついた後、持ち前のタイピング力で素早く、
《昨日は元々機嫌が悪かっただけです。
あと、夕飯は肉じゃがを希望します。》
とだけ打ち、送信ボタンを押した。
きっと今頃、赤井さんは涙を浮かべて歓喜していることだろう、コナン君にでも報告してもらうか。
今度はコナン君宛のメールを打っていると、車内放送が流れた。
───次は〜、江古田〜、江古田〜。
『やっと着きましたね。』
同じ制服に身を包んだ生徒達と電車を降り、改札を抜けると、壁に寄りかかりスマホを弄っているくせっ毛の男子高校生が見えた。
そのくせっ毛は前を通る同じ制服に反応して顔を上げ、周囲を見渡して私を見つけると、パァっと花が咲いたような笑顔で走ってきた。
大型犬が、大型犬がここにいる。
「おはよう雨宮サン!」
『おはようございます、黒羽君。
見事な大型犬っぷりでしたね。』
そう言って毛並みに沿って黒髪を撫でると、大型犬黒羽君の顔は真っ赤になった。
「あ、あ、雨宮サン、な、何を……!?」
『私、ワンちゃん好きなんですよ〜。
特にこーゆー大型犬がね、もう愛らしくて大好きなんです。』
「す、す、す、き……!?」
『はい、とっても好きですよ。
はぁ〜、可愛い可愛い可愛い〜。
………あ、もうこんな時間。
行きますよ、黒羽君!!』
私は小走りで学校に向かって走り出した。
『黒羽くーん、置いてっちゃいますよー。』
「……はっ!俺は今まで何を!
あ、雨宮サン!待ってー!!」
63人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
28cm(プロフ) - Blue purpleさん» BIue purpleさん、投票有難うございます! (2018年3月2日 22時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
Blue purple(プロフ) - 2がいいです。 (2018年3月2日 22時) (レス) id: 1b34d3a9ec (このIDを非表示/違反報告)
28cm(プロフ) - かずねえさん» ななななんだってぇ!?ってもう教えたかw (2017年8月2日 22時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
かずねえ(プロフ) - 28cmさんやっぱり検索しても出てこないっす! (2017年8月1日 21時) (レス) id: a8df05ba70 (このIDを非表示/違反報告)
28cm(プロフ) - 森導さん» 森導さん応援ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年5月9日 20時) (レス) id: 0d354a01d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ