Osmanthus of smell【JN】 (ページ27)

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辛ラーメンをご馳走すると、彼は美味しそうに食べてくれて、こんな日々がいつまでもずっと続けばいいのにと、心の中で祈る。

食べてすぐ帰るんではなく、2人で映画を見ることになって。

テレビの前で2人並んで恋愛映画を2時間ちゃんと見終わって。

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映画を見たあとの余韻で溜息をつくと

「A」

ふと隣でソジンさんが名前を呼んだ。

振り向くと、ソジンさんは優しくて、儚い目をしていた。

床に落ちた私の手の甲にそっと上から手を重ねる。

何秒か見つめ合って、彼の顔がいつも通り近付いてくる。

いつもは驚いて両目を瞑っていたが、今回は全て受け入れるように私も目を瞑る。

2人の影が重なって、唇が触れる。

柔らかくて、優しい。そんなキスだった。

唇が離れたのと同時に目を開けると彼はまた私の目を見つめていた。

体制を向き直って私の顎を優しくて持ち上げるともう一度キスを交わす。

ほんの一瞬だった。

そんな啄む様なキスを何度も、何度も。

私に息をさせる余裕も与えてくれない。

私の顎を持ち上げていた手は次第に頬を包み込んでいて。

それと同時に唇が深く重なる。

下唇をやんわりと甘噛みされたのが最初だった。

口腔内に舌が入り込む。

流し込まれた口の中で広がったものはすごく甘く感じた。

「…っ、ん」

歯列をなぞった舌の感覚に思わず背筋が震える。

角度を変えて何度も何度も。

存在を確かめる様に。

後頭部と背中に手が添えられ、優しく組み敷かれた。

視界には天井と、ソジンさんがいた。