【番外編】いざ、雄英！【呪術廻戦】 (ページ32)

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夏油「素晴らしい。本当に素晴らしいよ。まさに世界を変える力だ。

里香さえあればせこせこ呪いを集める必要もない。次だ。次こそ手に入れる！！

！！遅かったじゃないか、悟。Aも、無事でよかったよ。」

お兄ちゃんと里香ちゃんに、なのか乙骨先輩になのか半身を失った傑君が壁を伝いながら歩いていたところにバッタリ会った。

夏油「君たちで詰むとはな。家族たちは無事かい？」

五条「揃いも揃って逃げ果せたよ。京都の方もお前の指示だろ。Aもこんなに大きな傷残して、どうしてくれるんだよ。」

夏油「まぁね。君と違って私は優しいんだ。あの二人を私にやられる前提で乙骨の起爆剤として送り込んだな。それに私とAを正面からぶつけた。」

五条「そこは信用した。オマエのような主義の人間は、若い術師を理由もなくころさないと。Aの事も、オマエがなにもできないと踏んだ。まあ、多少は手違いがあったけどな。」

するりとお兄ちゃんに頭を撫でられる。

夏油「クックックッ信用か。まだ私にそんなものを残していたのか。」

『...私には手加減してた。あの一発もパンダ先輩たちに向けたのを私が庇っただけ。直接的に私には何も本気じゃなかった。』

夏油「...可愛い妹を傷つけられるほど心までやられていないさ。コレ返しといてくれ。」

傑君がお兄ちゃんにカードを投げる。それは最近失くしたと言っていた乙骨先輩の学生証だった。

五条「小学校もお前の仕業だったのか！！」

夏油「まぁね。」

五条「呆れた奴だ。」

五条「......。何か言い残すことはあるか。」

夏油「......。誰が何と言おうと非術師は嫌いだ。でも別に高専の連中まで憎かったわけじゃない。ただこの世界では、私は心の底から笑えなかった。」

淡々と、自分の最期を慈しむような表情に私は無意識に唇を噛む。

『傑君。』

夏油「なんだい。」

『私は、傑君がここを離れてからも、そっち側になってしまっても、嫌いになんてなったことは無かったよ。お兄ちゃんより早く傑君に懐いた。夜、三人の中で誰よりも多く一緒に寝てくれた。

誕生日にもらった指輪のネックレスも外した日はなかった。傑君の言う通り、おじいちゃんたちの前での言動はお兄ちゃんよりひどくないよ。』

五条「おい。」

『傑君は、私の師匠で、大事なもう一人のお兄ちゃん。

私に、私の世界に、色をくれて、ありがとう。＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。』