【番外編】いざ、雄英！【呪術廻戦】 (ページ16)

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家入side

Aが高専に来て数か月。クズども二人はぐずぐずに甘やかしまくっており、五条に至っては任務に行きたくないとAよりも子供っぽく駄々をこねる始末。それを夏油と私、最終的にはAの『お兄ちゃん、早く帰ってきてね』に骨抜きにされ爆速で任務をこなすのが日常と化した。

最初こそ、唯一の同性である私によく懐き一緒にいる時間が長かったのがいつの間にか寝るのも交代で常に私たち三人の誰かはAと一緒にいることになった。

恐らく家でつけられた傷もだいぶ良くなり、痕はどうしても残ってしまうものもあったがどうにか半袖を着ても目立たないぐらいには治って来た。

最近は五条や夏油と体術に励み、訓練終わりに二人が大慌てで私のところにAを運んでくる。そんなにやりすぎないように言ってみても一度集中したら最後まで続けるらしいこの3人。Aの為ならもちろん何度でも治してやる。が、最近どうにも運んでくる、若しくは自分で来る回数が多い。

今日もまた、一人であいつらの稽古後にやって来た。受け身を取り損ねた、と肘の青あざ、わき腹の青あざに手を添え反転術式で治してやる。

「今日のこれはまたずいぶん派手にやったな。あいつらは知ってるのか？」

そう問うと小さく首を横に振る。あんなに過保護なあいつらがこんな怪我に気が付かないはずがない。おかしいと思い、少し話を聞くことにした。

「どうして最近あいつらの知らない怪我があるんだ？一人で」

『いや、その...！！...二人に、言わない...？』

「ああ。内緒だ。」

聞けば毎日二人に課題をもらい少しずつ内容のレベルを上げているのだが、少しでも上達したくて二人には秘密裏に自主練をしているらしい。確かに一人で私のところに来るのは決まってクズどもが任務の時だ。

「...。A。お前の気持ちはよくわかる。お前の為なら何度だって治してはやる。だがな、私としては痛みになれないでほしいんだ。」

『痛みに、慣れる...？』

「痛みって言うのは、生きている証拠なんだよ。いくら私が治せるからと言って痛みに慣れていつの間にか反転術式に依存するようにはなってほしくないんだ。自分を大事に、痛みを感じて当たり前何て思わないでくれ。」

家でどのような教育を受けて来たかなんて数か月関わっただけで分かるほどAにしみついている。そんなやつに、私は知ってほしい。私たちが大事に思っている事＿＿＿＿＿。