143。天霊は飛びすぎた ページ10
人を手助けするのをやめることにした今、自分には本当に障害物がなにもない。
(障害物競走とは……)
なんて思ってしまう。
なんというか、ある意味難儀なものである。
……そういえば、今は普通の幽霊と同じような透明な状態だが、半透明になった方が良いのだろうか。
というか、半透明にならないと霊感のある人や家族以外の誰にも見えないため、ゴールしたと認識されないのではないか。その前にまず、きちんと会場を一周したかさえ疑われてしまうのではないか。
そう思うと、今からもう半透明になっておいた方が良い気がする。
というわけで、すぅ……と体を半透明な状態にする。これで大丈夫だろう。
……さて、まわりの状況を見てみると、
(…………うん？)
ずっと考えながら飛んでいたため、まわりをよく見ていなかったのだが……これは……、
(はは……、飛びすぎた、かな……)
なんということだろうか。
ゴールのゲートまであと少しの所にもう来てしまっていた。
ううん、一位はなんというか、なぁ……などと思っていると、そこに轟と、少し後ろに爆豪が来ていた。
「なっ、天霊……？！」
『や、やあ、轟』
前に誰もいなかったはずが、突然目の前に現れた自分に驚く轟。そしてそんな彼に、なんとなくぎこちない返事をしてしまう自分。謎すぎる。
「お前、いつ……」
『そういうのはあとにしとけ。来てるぞ』
「……っ」
いつ抜いた、と聞きたかったのだろうが、そんな暇はないぞと告げれば、すぐさま前に進んでいった。まあ、いつどうやって抜いたかなど、考えればすぐにわかるだろうし。
最終関門らしい、地雷が埋められまくっているフィールドを駆けていく轟を見ている自分の横を、しばらくして爆発音が通りすぎていった。
爆豪である。
(そろそろ、自分も飛ぶか)
一気に飛んで一位になるのは、なんとなく気が進まなかったのだが、今前に二人いる。そして、後ろからも続々と人がやってきている。
もういいだろう。少しゆっくりめに飛べば。
そうして、トップの二人を抜かない程度に飛んで追っていると、後ろからひときわ大きな爆発音が響きわたる。何事か。
と振り返るまでもなく、すぐ横をものすごい勢いで飛んでいく緑谷の姿。
なぜか持っている鉄の板に乗り、一番前に躍り出る。
なるほど、板に爆風を受けさせて飛んだのか。恐らく地雷を使ったのだろう。
あの板は……仮想敵の一部か。
よく考えたものだ。
(やるなぁ、緑谷)
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藤海 - 小宮瑠璃さん» コメントありがとうございます！お待たせしてしまい申し訳ございません…！生きております！どストライク嬉しいです！時間を作って更新して行けたらと思っておりますm(_ _)m (2022年6月28日 14時) (
レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
藤海 - 春風駘蕩さん» コメントありがとうございます！そうなんですね！なんて偶然！ (2022年6月28日 14時) (レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
藤海 - 猫夜桜((シラキさん» コメントありがとうございます！大変長らくお待たせいたしました…！お気に入りと言っていただけて嬉しいです… (2022年6月28日 14時) (レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - もう更新しないのでしょうか…？自分めちゃくちゃ楽しみなんですが…てかそもそも生きてますk(((( 凄い好みにどストライクでした！！続き楽しみにしてます！！ (2022年4月3日 21時) (レス) @page18 id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日が近いです1日違い、よっしゃああああああああ！！！ (2022年2月21日 16時) (レス) @page18 id: 34351208ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤海 | 作成日時：2018年2月14日 11時
