141。天霊と第一種目 ページ8
さて、選手宣誓が終わり早速、第一種目が発表された。
その名も、
"障害物競走"だ。
全クラス総当たり戦で、会場の外周約4kmを、障害物をかいくぐりながら、一周してこの会場に戻ってくる、というものだ。コースさえ出なければ何をしてもいいらしい。"個性"を使えということだろう。
さて、そこで自分はふと思った。思ってしまったのだ。
(これ、自分には楽勝すぎるのでは……？)
なぜか。それもそのはず。自分の"個性"は幽霊。そして、幽霊に障害物など存在しないのだ。
よって、自分にこの競技は楽勝すぎる。
(ちゃんと全員の"個性"を考慮して決めたのか？楽勝すぎて笑えないんだが……)
まあ、障害物の中に幽霊に対して有効なトラップが仕掛けられているのであれば話は別だ。
しかし、対霊用の仕掛けがあったところで、霊と全く関係のない人、つまりほとんどの生徒に対して何にもならないため、意味のない、トラップとも言えないものになってしまう。そんなものをわざわざ仕掛けるだろうか。
否、仕掛けないだろう。
では、自分はこの競技で何を試されるのだろうか。わからない。
……と思っていると、突然ぱっと妙案が浮かんだ。
(困ってる周りの人たちを助けながら進めば、いい感じの順位でゴールできるかもしれん。ヒーロー目指すなら、人助けはできないとだしな。よし、これでいこう)
障害物競争の障害物に、そこまで危険なモノなどないとは思うが。
＊
＊
＊
……などというのは大間違いであった。
普通に危険なモノで溢れていた。さすが雄英。少々侮っていた。
まずスタートの合図で一斉に走り出した皆だったが、スタートのゲートが生徒の人数に対して狭すぎた。そのせいでぎゅうぎゅう詰めで、皆押し合い圧し合い。絶対にあの中には入りたくないなと思った。
現に自分は1人、最初の数十秒ほどはスタート位置から一歩も動かずそれを見ていた。
もちろん、しばらくしてから幽体化してスタートした。
だがまあ、そんな自分を見ていた会場の人々は、こう思っただろう。
なぜこいつはスタートしないのか、と。
何かの作戦なのか、と。
しかし、残念ながら作戦とかそういうのでは全くなく、先ほど言った通り、ただ単にあの中に混じりたくなかっただけなのだ。
……それに、自分は、いつ出ようと最前線に飛んでいけるのだから。
そうして飛び出したわけだが、しょっぱなから入試の時に出てきた巨大仮想敵ロボットが出てきたのだ。
そう、危険なモノが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤海 - 小宮瑠璃さん» コメントありがとうございます！お待たせしてしまい申し訳ございません…！生きております！どストライク嬉しいです！時間を作って更新して行けたらと思っておりますm(_ _)m (2022年6月28日 14時) (
レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
藤海 - 春風駘蕩さん» コメントありがとうございます！そうなんですね！なんて偶然！ (2022年6月28日 14時) (レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
藤海 - 猫夜桜((シラキさん» コメントありがとうございます！大変長らくお待たせいたしました…！お気に入りと言っていただけて嬉しいです… (2022年6月28日 14時) (レス) id: 0b17918c57 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - もう更新しないのでしょうか…？自分めちゃくちゃ楽しみなんですが…てかそもそも生きてますk(((( 凄い好みにどストライクでした！！続き楽しみにしてます！！ (2022年4月3日 21時) (レス) @page18 id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日が近いです1日違い、よっしゃああああああああ！！！ (2022年2月21日 16時) (レス) @page18 id: 34351208ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤海 | 作成日時：2018年2月14日 11時
