いや、あの、俺/私たち付き合ってないんですけど(笑)

歩「十六話目だよ！」コ「元気だな相変わらず(苦笑)」 ページ20

降谷side


...何故かさっきから横に座っているヤツが両手で顔を覆っているんだが。


何かあったのだろうか。


まあどうせこいつのことだから、変なことでも考えているのだろう。


降「どうした。ついに頭おかしくなったか」


念のため聞いておく。

『何でもございません降谷様』

幸人はこう返す。

つか"様"って...

降「いや何もなかったら手で顔なんて覆わないだろ...」

ちょうど信号が赤になったので、俺はこいつの手を顔からどけることにした。



幸人の顔は赤く染まっていて、まるで"見られてしまった"と言いたげな表情をしている。

降「...大丈夫か？顔赤いぞ」

『え、いや、その、これは...』

挙動不審に言葉を発そうとしている幸人。

...熱なのか？

降「熱でもあるのか？」

そう言って俺は自分の額と幸人の額とをくっつけた。

『ちょ、ふるやさん...！』

ｶｱｧｧｧという効果音が似合いそうなぐらい赤くなる幸人。

加えていつもの呼び方ではなくなっている。

...焦りすぎだろ。


降「熱はなさそうだな。...何かしょうもないことでも考えてたのか」


信号が青になり、再び走り出す。



すると、幸人は小さく呟いた。




『...貴方のせいですよ降谷さん(ﾎﾞｿｯ』




降「...ｯ！」






ちょっと待て、俺は男だぞ。

いや別に同性愛に偏見なんてないが。

しかも相手は幸人だぞ！









...くそ、狡いじゃないか。






そんなこと言われたら、









意識してしまうじゃないか...









俺は、つられて赤くなってしまった顔を、片手で隠した。

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