【超特急】君に恋をした、3秒前。 (ページ5)

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祐基「A先輩こんちはーっす！」

僕らのとこで足を止めたA(？)先輩に、祐基はいつものように声をかける。

もうこの女の人とも友達なのかな。

1人蚊帳の外状態。

僕は祐基と先輩に背を向けて、しゃがんで子猫を撫で続けた。

「村田くんじゃない！

ねえ今日の二時限のとき遅刻してたでしょー？(笑)」

祐基「あ、バレてましたか先輩にも。購買にのんびり居座ってたら始まってるの気づかなかったんすよ！」

あぁ、僕が祐基が来るまでずっと板書、書いてあげてた時ね。

祐基、遅刻するくせにテストはいいからなあ。

「そう、この前からその猫ちゃん、ずっとこの公園にいるのよね。さっき寄せ集め程度でダンボール持ってきたんだよね。

…もしかして、村田くんも猫ちゃん？」

先輩は、祐基に問いかける。

そうか、このダンボールはこの人が持ってきたのか。

祐基「そうなんすよー！

つっても、こいつの付き添いみたいなもんですけどね、」

えっ！！？

ここで僕に話振るの？！

振り返ると、

頭上の方に祐基とA先輩が近づいていた。

どうすればいいか分からず、僕は必死になって目を泳がす。

でも、

先輩を見た瞬間、

佑亮「…あ、」

ばっちりと、目が合った。

・

「そうなんだ！

…優しいね！」

・

佑亮「っ……、」

途端に、僕の体がふつふつと恥ずかしさで熱く熱されてきたのが自分でも分かった。

多分、今、顔が真っ赤っかだと思う。

僕は慌てて先輩の瞳から目を逸らす。

祐基「すいませんこいつ、人見知りで(笑)」

「あっ、そうだったんだ…

村田くんの友達の、何君？」

先輩が僕と目線を合わせるためにか、同じようにしゃがむ。

僕は、絞り出すかのような声で言った。

僕「福田佑亮です…、」

・

これが、彼女との出会いね。

この時から少しばかりは意識してたと思う。

でも、まだ僕の心は奪われていなかった。

《君に恋をした、2秒前》