藤 井 さ ん の ペ ッ ト

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ー from Nozomui .







「 おっ、ええ匂い。夜、何ー？ 」



夜ご飯を作っていると
仕事が終わって
帰って来た流星が
呑気な顔してキッチンに顔を出す。







「 流星、Aちゃんとケンカしたやろ？ 」



「 ケンカ？…してへんと思うけど…… 」



……やっぱりな。



流星のことやし
自覚なんてものが
微塵も存在しないのは
百も承知や。







「 なんで、Aちゃんのこと１人で帰らしたん？」



今日は
てっきり
流星とAちゃんは
一緒に帰ってくるもんだと…



それやのに
Aちゃんは
１人で帰ってきたし
ただいま、って不器用に言ったまんま
部屋に入って出て来ない。



「 さぁ〜、気づいたらおらんかった 」



そうやって
首をかしげる流星は
なーんも考えて無いんやろな。



「 流星、何かやらかしたやろ？ 」



コイツ
顔はズバ抜けてイケメンやのに
どうして
こうも、アホなんやろ？



「 知らん 」



はぁ〜……ダメだ、

使い物にならん。







「 ……あっ、 」



「 ん？やっぱり、何かやらかしたか？ 」



「 犬のじゅ…何とか知ってるか聞かれた 」



「 なんや、それ 」



おかずの唐揚げを
つまみ食いして
もぐもぐとリスのように
口を動かす流星。



「 んー、じゅっかい？…やったっけな？ 」



“ 犬の十戒 ”



流星の言葉が
ようやく理解できた。



「 あー、犬の十戒な。…犬を飼う前に、ちゃんとその子の人生に向き合えるか？っていう、まぁ…約束事みたいなもん 」



「 へぇ〜 」



…流星、今のお前にピッタリやわ。




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