藤 井 さ ん の ペ ッ ト

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『 ちょっと、藤井さん！変なこと言わないでくださいよ！ 』



誰もいないことを確認し
給湯室に
藤井さんを隠すようにして押し込んだ。



私が注意しても
藤井さんは首を傾げ
頭の上には
？マークがぽわーんと浮かんでいる。



『 だからー、急にお手なんて言ったら、他の人は変だと思いますよ！ 』



「 え、そーなん？ 」



…ほらね、

リアクションが
やっぱり、藤井さんらしい。



『 そうなんです！…だから、みんながいる前で餌付けみたいなことしたり、お手とかさせようとしたりしちゃダメなんですよ？ 』



「 そうなんやー 」



そうやって
まるで他人事みたいに頷く藤井さんは
きっと、またどこかでやらかすだろう…。







「 …あ、手 」



『 え？ 』



藤井さんが
急に視線を落とすもんだから
私もつられて目線を落とすと
そこには
つながれた２人の手。



『 っ、あ！す、すいませんっ！ 』



それまで
全然気にしてなかった手を
バッ、と勢いよく離すと
藤井さんは
空中に残った自分の手を
ジーッと見つめている。



慌てて給湯室に引っ張ってきたせいで
無意識に藤井さんの手握ってたんだ…。






「 んー 」



すると
自分の手を見つめていた藤井さんが
離されたはずの私の手を
再び拾った。



「 やっぱ、こっちがいいわ 」



ふはー、と
目尻をくしゃくしゃにした藤井さん。



その手からは
ビリビリと
電気が走るみたいだった。




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