藤 井 さ ん の ペ ッ ト

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「 大丈夫やった？ 」



さっきとは真逆の
柔らかな表情で
藤井さんは
心配そうに私の顔を覗き込んだ。



『 …はい。……でも、私のせいで、この会社に居づらくなったりしませんか？あっ！もしかしたら、淳太くんが藤井さんに嫌がらせしたりするかも… 』



すると
そんな私を見て
ふわりと笑った藤井さんは
私の頭にポンッと手をのせた。



「 心配いらん 」



かと思えば
今度は
わしゃわしゃと頭をなでる藤井さん。



「 専務は頭がいい人や。やから、大丈夫 」



その “ 大丈夫 ” が
藤井さんの口から発せられることによって
全然大丈夫そうには思えないけど
藤井さんの
柔らかな表情を見ると
なんだか、大丈夫に感じてしまうから不思議。







「 Aちゃんの飼い主は俺やろ？ 」



そんな藤井さんの言葉が
なんだか
守ってやる、と言われているみたいで
私は嬉しくなった。







「 あ、今日打ち合わせあるんやった 」



そんなことを言いながら
呑気にあくびをする藤井さん。



「 しかも、朝からや 」







やっぱり……

私は、藤井さんが好きだ。




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